海に出て愛される【ONE PIECE】 (ページ33)

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「お前、海軍と繋がっているのか？」

「繋がってはいない。

でも、家族がいる」

「そうか…海軍には俺の恩人がいる」

「ローの恩人…？」

「あぁ、俺の命の恩人だ。

お前の店に海軍が来るなら情報があれば聞きたかったが」

「どんな人？ローはその人に会えないの？」

「背の高い金髪の男だ。

よくドジを踏む」

「ごめん、わかんない」

「そうか」

「心配？」

「いや、ただ聞いただけだ。

別れたあとまた一度だけ再会した。

正義を背負っていたからこれ以上は越えちゃいけねぇ境界線ってのをひかれたって話だ」

そう言いつつも少し残念そうな表情を浮かべるロー。

そんなローの隣にAは静かに腰掛けた。

「そのローの恩人って人探してあげる。

それが対価でいい？」

「対価……？」

「うん。

ローが最初に言ってたじゃん。

タダで乗せるなんて一言も言ってないって。

だから、乗せてくれたお礼に…その恩人さん探すって」

「あれは」

「だから……これで貸し借りは……チャラに」

「お、おいここで寝る気か！？」

「愛を教えてくれた……大切な人…」

一日で色々なことがありすぎて疲れたのか、Aは船を漕ぎ始める。

「ここじゃ風邪引くぞ」

「名前、おしえて」

「おい、寝るな」

「絶対みつける、みつける」

「おい！」

ローの声はもうAに届いていなかった。