海に出て愛される【ONE PIECE】 (ページ21)

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いい天気だなとのんきに流れていたら遠くに人影が浮いている。

何もない海だけに鮮明に見えるがこちらと同じ小舟で一人旅のようだ。

ずっと見ていたら向こうもこちらに気づいたのか大きく手を降っているようだ。

特に急いでいるわけでもないし困っていたらお互い様だ、何事かと船の行き先を変え手を降る人影へと近づいた。

✕ ✕ ✕

「わはは、オマエいいヤツだな！」

「渦潮と知ってれば近づきませんでしたけどね」

迂闊に近づいた瞬間、船が大きく揺れる。

そして気づけば渦の中に先程の人影である麦わら帽子の男と仲良く飲み込まれたのだ。

「お前泳げるか？俺泳げねーんだよな」

「泳げたところでこの渦は抜けられないと思いますけど」

「それもそうだな！」

その言葉と同時に大きく波が上がる。

そして一気に飲み込まれ二人とも海の中へ沈んでいった。

気がつけば一つの樽を残して海で漂流している。

先程乗っていた船は大破したのか跡形も見受けられない。

麦わら帽子の男もついでに姿が見えない。

泳げないと言っていたし見捨てるのも酷だろうか、渦潮なんてまるでなかったかのような平穏な海を見渡す。

すぐ近くに男が被っていた麦わら帽子を見つけ泳いで取りに行く。

もしや近くにいるかもと潜ってみたがその予想は外れたようだった。

とりあえず樽を浮き輪代わりに運良く見える小さな島へと足を動かす。

岸へつくと船を探すため早速歩きだした。

それにしても災難だったとついてもつききれないため息が出る。

まぁもともと身軽ではあったし両刃刀は無事のようだし少し予定は狂ったが仕方ない。

そう思うようにしてAは周囲を伺った。