第3章 ページ4
「ううん！ありがとう！読みたいと思っていたの！」
慌てて早口になってしまった私に、Aくんは「よかった」と言って笑ってくれた。
前髪の隙間から、目を細めて微笑んでいるというのがわかった。
「じゃあ、」
そう言って図書室から出ていくAくんを、扉が閉ざされるまで見送る。
あれが、噂の____。
なんだ、本当に良い人じゃない。
確かに前髪が長くて、ひょろひょろだったけど。
気味が悪いってほとでは全然なかった。
今日帰りに、皆の誤解を解くために言わなくちゃ。普通に良い人よって。
「っていうことがあったの」
その日の帰り際。いつもなら嬉しそうに反応をしてくれる六つ子だと思っていたら、全くそのような素振りは見られず、面白くなさそうな目を向けてくる。
何よ、皆のイメージを変えようとしたのに。
「なーんか、面白くねえなあ」
そう言ったのは、おそ松くん。
「なあ？」と他の兄弟に同意を求めると、一松くんとトド松くんが頷いた。
「いや、そんな奴だったんだね」
意外そうに言うチョロ松くん。さして興味も無さそうだったけれど。
カラ松くんは演劇部の台本を凝視して話に興味を示さないし、十四松くんに限っては片手に野球バットを持って素振りを始めて、話すら聞いていなかった。
「もう！知らない！」
そう言って私は六つ子を後にして家に走り帰った。
Aくん、良い人だったなあ。
お目当てだった本を鞄から取り出して、昼休みの出来事をフラッシュバックした。
なんか、とっても印象に残る人だった。
こんな事他の男子にされても、感謝の気持ちで終わってしまうのに、その時は【また会いたい】と思った。
外見と中身のギャップが面白かったのかな、自分自身では、自分の本当の心はわからなかった。
そう言えば、あと一週間で夏休みが始まる。
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しずく@眠たがり(プロフ) - もう更新はされないのかな…？ (2019年2月7日 11時) (
レス) id: 2e94dfd782 (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - 男主のトト子ちゃんのやつ、少ないから嬉しいです！めっちゃ面白いですね！！ (2017年10月10日 16時) (レス) id: 329393c0db (このIDを非表示/違反報告)
トト子ちゃんは天使 - トト子ちゃんの小説あまりにも無いのでこのような作品があり嬉しいです！！orz ありがとうございます更新楽しみにしております(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年2月3日 11時) (レス) id: 5025687234 (このIDを非表示/違反報告)
れおん。(プロフ) - 個人的には、六つ子のかで、一番好きです！（笑） だから、このような作品を作ってくださり、ありがとうございます！！ 自分自身も、書いているのですか、まったく続かず。その文才を是非わたしに！(^◇^;) 更新、頑張ってください！ すーっごく、応援してます！ (2016年2月3日 7時) (レス) id: 36f06c9cc6 (このIDを非表示/違反報告)
異脳 - トト子ちゃん可愛いですね！更新頑張ってください！ (2016年2月1日 23時) (レス) id: 6b1eec1aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜風 金魚 | 作成日時：2016年1月26日 21時
