第11章 ページ12
トン、と肩に置かれた手に、これでもかというくらいに跳ね上がった。
「トート子ちゃん！なにやってんの？」
目の前に顔を出したのはおそ松くん。
いつものパーカーを着ていた。
「なんで、ここに」
「おつかいだよ。したら、ここにトト子ちゃんが」
「…そう」
もしかして、見ていただろうか。
「今のさ、誰？」
「…はあ」
やはり、見ていたのか。思わず出た溜息に、おそ松くんは頭にはてなを浮かべた。
「絵がとっても上手な人よ」
「なにそれ？？」
「まあいいじゃない、ここから先はプライバシーよ」
「えー」と言いながらもしつこく聞こうとしてくるおそ松くんを押し退けて帰路に向かおうとした。
すると、先程Aくんが曲がった角から人が軽く走って此方側に歩いてくる。
「っあれ…まだ、いたんだね」
息を切らして走ってきた人。
「Aくん…」
「え」
真夏の中、軽く走ってきたためか、Aくんは顔に汗を浮かべて、ピンで留めていない前髪も自然と横に流れていた。
「どうしたの？」
「忘れもの、しちゃったの」
はあはあと上がる息が治らず、額から顎に流れた汗を腕で擦る。
「え、え…誰」
Aくんは、軽くおそ松くんに会釈をすると私に向き直った。
未だに状況を把握せずに頭の上にはてなばかり浮かべるおそ松くんを置いてけぼりにして、私たちは軽く会話をした。
「また美術室へ行くの？」
「そうだよ、それが聞いて。財布を忘れちゃったんだよ。」
面白そうに言うAくんに釣られて、私も自然と笑みが漏れた。
「じゃあ、また次回ね、弱井さん」
綺麗な笑顔で私に手を振って校舎に入っていくAくんを見送っていると、おそ松くんが顔を青ざめて私に詰め寄った。
「今の…誰…」
おそ松くんが先程から同じ事しか言っていない気がした。
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しずく@眠たがり(プロフ) - もう更新はされないのかな…？ (2019年2月7日 11時) (
レス) id: 2e94dfd782 (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - 男主のトト子ちゃんのやつ、少ないから嬉しいです！めっちゃ面白いですね！！ (2017年10月10日 16時) (レス) id: 329393c0db (このIDを非表示/違反報告)
トト子ちゃんは天使 - トト子ちゃんの小説あまりにも無いのでこのような作品があり嬉しいです！！orz ありがとうございます更新楽しみにしております(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年2月3日 11時) (レス) id: 5025687234 (このIDを非表示/違反報告)
れおん。(プロフ) - 個人的には、六つ子のかで、一番好きです！（笑） だから、このような作品を作ってくださり、ありがとうございます！！ 自分自身も、書いているのですか、まったく続かず。その文才を是非わたしに！(^◇^;) 更新、頑張ってください！ すーっごく、応援してます！ (2016年2月3日 7時) (レス) id: 36f06c9cc6 (このIDを非表示/違反報告)
異脳 - トト子ちゃん可愛いですね！更新頑張ってください！ (2016年2月1日 23時) (レス) id: 6b1eec1aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜風 金魚 | 作成日時：2016年1月26日 21時
