元祖白チビ先輩！！

浅葱と兄 ページ22

ちょっと悲しそうな、安心したような顔でお礼を言う悠一
予知で知ってただろうに

「正直に言うと、ここでお前がどういう反応するのかおれは分からなかった」




『悠一に限ってそんなことあるの？』
「おれにだって読み切れない未来の一つや二つあるさ

さっきのでおまえが
号泣する未来とか、俺のことぶん殴る未来とか、いろいろあったぞ」
『じゃあ何でわざわざ伝えに来たの？』
「伝えないほうが後々まずかったんだよ」


『悠一がそんだけして遊真は無事にボーダーにはいれるの？』
「いやまだ、そこまではっきりしてない。でも、あと一押しがないとキツイかもな」

『黒トリガー取りに来るのは多分遠征組でしょ？
そん時に風刃使えばよくない？』


悠一が何故かびっくりしたような顔してる
『何でそんな鳩が豆鉄砲を食ったような顔してるの…』
「紫苑ってこんなに聞き分けよかったか？」

『人がこうやって協力してるんだからそれでよくない？


私だって言いたいことはいくつかあるけど悠一のこと困らせそうだからいい。
慶が帰ってきたら愚痴る』
「それの方がちょっと嫌かな〜？」

『正直に言いたいこと言うとね


悠にぃにはいくつもの未来が見えてて、それを私が一緒に見ることはできないし、どうしようもないけど…



悠にぃが選んだ最善の未来で私たちが笑ってたとして
そこで悠にぃは離れたところでボロボロになってる。
それでも悠にぃは平気なのかな〜
私は嫌なのにな〜
自己犠牲も大概にしてほしいな〜

とかは思ってたりする…』

「紫苑おれはな自分が傷つくのが平気とかそういうわけじゃないんだぞ？

ただな？
自分にしか分からないからそれだけ自分が頑張ろうと思っちゃうんだよ」

『……それが嫌だって言ってる』



「…そうか」
『私は、元は動くのはあんまり好きなほうじゃないし
どちらかというと部屋にこもってたい

でも、私が今までこうやって頑張ってきたのは
みんなと一緒に居たかったから…だから



なるべく悠にぃに辛いことはしてほしくない』


「…なるべく頑張るよ」
『……ん、眠いから寝るね』

「寝るの邪魔して悪かったな

おやすみ」



「(呼び方、昔みたいに戻ってたな

一応同い年ではあるけど…
小さい頃の紫苑に兄みたいなもんだと思っていいぞって言ったのは俺だしな)」

迅は紫苑の部屋から出ていこうとするが寝ている紫苑が迅の上着の袖をつかんで離さない


「(トップチームが来るのは明日か…

動けないし一緒に寝てもいいかな)」

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