澄んだ青い空の下で【colon】

No,37 ページ41

ころんside

最後の締めくくりといえば線香花火だろう
僕たちも今それをやっている


『むむ、じっとしてるの難しい』


「手、震えてるよ。固定しなきゃ」


『わかってるよ、あっ』


その言葉と共に花火は地面に吸い込まれるように落ちた


『はぁー、今年の夏も終わっちゃうね』


「まだ終わんないよ」


そういいながら二人で寝ころぶ
静かな夜がいい雰囲気をだしながら


『ころんくん』


「何？」


『私が前いったこと覚えてる？』


「？」


『ほら私がゆうれいになる前の話』


そういわれてハッとする


『今からその話してもいい？』


「･･･いいよ」


『ありがとう』


Aは一呼吸おいて話し始めた


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私はもともとここの卒業生になるはずだった。

自分の親が二人ともギャンブルと夜遊びが激しくてはなにをしてもらったのかも覚えてない。

なのに自分に求めてくる理想が高くて･･･。

ちゃんと理想通りにしてたらほめてくれると思ってた。

けど現実は違った。

ほめてくれなかった。

なにもしてくれなかった。

ずっと寂しかったのかもしれない。

友達とか恋人がいたら変わってたのかもしれない。救われてたのかもしれない。

けど私にはいなかった。

親がそんなんだから私もそうだろうってずっといじめられてて。

いろいろと疲れちゃって、生きていることにも疲れた。

だから私はここから飛び降りた。

最後に思ったのが“誰かに愛してもらいたかった”

気づいたらゆうれいになってた。

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