澄んだ青い空の下で【colon】

No,32 ページ36

ころんside

『ころんくん！海！海いきたい！』


学校に着くと同時にそんなことをいわれた


「海？何でいきなり？」


『なんかいきたくなっちゃって』


Aは笑顔でいう


『ほら、夏らしいことまだ一個もしてないから海いこ！』


「いいけど、どうやっていくの？」


『･･･』


Aは思ったことはすぐに行動に移したがる
大体その半分近くは後先のことは考えてない


「海まで結構距離あるけど？」


『･･･電車。電車でいこ？』


電車･･･電車ねぇ


「別に大じょ･･･あっ」


別に大丈夫、そう言おうと思ったけど慌てて鞄の中から財布を取り出す
ここ最近、Aに出会ってからはお金をよく使うようになったから金銭が少し心配になった


『財布･･･ああ!!ごめん、ころんくんお金のこと何も考えてなかった』


僕の方を覗きながらいう


『これ以上お金使わせちゃうの申し訳ない･･･やっぱり海、あきらめるよ･･･』


しゅんとわかりやすく落ち込む


「お年玉貯金」


『？』


「お年玉貯金があるから大丈夫」


お年玉貯金なんていまどきあるだろうか

まぁ、今まで使ってこなかった分たくさんあるから大丈夫だろう


「お金のことは心配しなくていいよ。僕も楽しいからさ」


『うぅ〜、ころんくん、ありがとう！』


そういいながらAは飛び込んできた


「わっ！」


急だったから少し驚いてしまった


『ころんくん、あったかい気がする･･･』


「気がするって･･･。Aは冷たすぎ」


『ゆうれいですから』


「そっか」


他愛ない会話
それでいつも終わる

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