9:paradox ページ10
結果として”もとどおり”には、ならなかった。
亡霊に殺された友達はいないし、
お父さんも帰ってこない。
お母さんは私と話さなくなった。
優しかった先生と友達も。
でもこれが私のしたことの結果だから。
私が悪い。
もう、異能力は使わない。
そう決めていた。
けど、また使ったのはこの世界がどうでも良くなったから。
毎日理不尽な目にあって、無関係なことで責められる毎日に耐えられなくなった。
だから。この世界を壊してやろう、そう思った。
きっと、自己嫌悪と周りへの不満が原因だと思う。
私が悪い、だから不満に感じちゃいけない。でも、この件、明らかに私は悪くない。
でも、私がしたことの報いなんだから___けど、この件も、私は関係ない__
なんて負のループが続いて、おかしくなっていったんだろう。
いつの間にかこの世界をぐちゃぐちゃに壊してやると思うようになった。
だから。
「ええ、使いましたよ。
私は__この世界を壊すために異能力を使いました。」
「あの騒ぎを収めたの、太宰さんだったんですね。
なんで覚えているんですか?」
そのためには脅威を排除しないと。
きっと、最大の脅威は太宰さんだろう。
覚えているし、何より私の異能力を防いだから。
警戒しないとね。
10:’’To destroy the world''→←8:a series of collapses
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作者名:アイスクリスタル | 作成日時:2023年7月14日 21時