１７：Even if I understand it now, it won't affect her. ページ17
「本質？」
どういうことだ。疑問に思い聞き返した。
「そう。」
「君は今回、この世界から理不尽がなくなるように願った。
そして、現に君にかかる理不尽は減った。
ここまではあってるね？」
「まぁ。」
なんとなくyesともnoとも言いたくなくて、微妙にぼかした返事にした。
それを肯定の意だと受け取ったらしく、そいつはそのまま続ける。
「でも、それは理不尽が減ったわけじゃあない。
この世界から、’’理不尽’’という概念が消されかけているんだ。」
「は、？」
それだとおかしくないか？だって、私にはまだ理不尽という概念が残っている。
私の疑問を読み取ったかのように答えられる。
「君は気づいていないだけさ。徐々に価値観は侵されている。」
「この世界から理不尽をなくすにはどうすればいいか？と私は考えた。
そして、私は一つの結論を出したのだよ。
何だと思う？」
だんだんと話が読めてくる。
おそらくだけど、さっきの話と結びつけるとなんとなくわかってきた。
この世界から理不尽をなくすには。
「理不尽の、概念を、失くす...ことか...」
そう、そもそも概念がなければいいのだ。
「ピンポンピンポーン、大正解!」
パチパチ、なんて拍手までされた。けど正直どうでもいい。
ようやく私は自分のやろうとしていることに気付いたから。
つまり、そう、私は
「君は異能力で、この世界から理不尽という概念をなくそうとしてるんだ。」
「ようやくわかったかい？」
「はは、そういうことか。
わざわざ解説どーも。」
１８：Now, let's start from here.→←１６：She and him can't understand each other.
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作者名：アイスクリスタル | 作成日時：2023年7月14日 21時
