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とりあえず、この人うるさいから静かにしてもらおう。
その結論に至った私は不審者の肩に手をかけ、ガクガクと揺さぶった。
「うるさいです!警察呼びますよ!?ていうか誰ですか!?」
「あ、すまない。うるさくして悪かった。」
あ、結構いい人だ!
殊勝な態度で謝る姿を見て、つい警戒心が緩みそうになる。
が、不審者の次の一言で私の警戒心はMAXになった。
「あと、俺は死神だ。」
「へ?」
さり気なく後退る。
え、死神って死期が近くなったら現れるやつのこと?
「そうだ。
正確には、死を迎える予定の人物が魂のみの姿で現世に彷徨い続け悪霊化するのを防ぐ為、冥府へと導いていくという役目を持っている神のことだ。」
「うわっ!?え、心でも読みました?」
「いや、声に出していたが」
え、マジか..
間抜けすぎて落ち込むけど、この状況じゃ仕方ないと割り切った。
なんせ、聞きたいことがありすぎる。
「えっと、私もうすぐ死ぬんですか!?」
まだ死にたくないよ私!!
顔を真っ青にしながら質問すると、「違う。」と否定されてホッとした。
「そもそも俺は人間の魂を回収する係じゃない。」
んん??
「え、じゃあ何をしてるんですか?」
「俺は犬の魂を回収する役目についている。」
.....よく分からないけどきっとそういうことなんだろう!うん!!
疑問点が多すぎて理解するのを放棄し、次の質問をすることにした。
「えっと、なんで来たんですか?要件は?」
「率直に言うと、犬を買うのをやめてほしい。」
え、そんなの、
「絶対嫌です!」
考えるより先に言葉が出た。
私の返答に顔をしかめた死神が、口を開く。
「じゃあ聞くが、なんで犬を買いたいんだ?」
「可愛いからです!!」
「その可愛いからという理由で犬を飼ったやつは、世話をしっかりしない人間が多いんだよ!」
その言葉にイラッとして反論しようとするが、遮られた。
「ここ3年でどれくらいの犬が殺処分されているか知ってるか?
軽く10000匹は超えているんだ!」
その言葉に目を見開く。
そんなにいたんだ..
知らなかった...
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アイスクリスタル(プロフ) - 読んでいただきありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!更新頑張ります! (7月27日 0時) (レス) id: f3df70ac44 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - イベントに参加いただきありがとうございます。作品読ませていただきました。死神と主人公の掛け合いが面白く、サクサク読み進められました。これからも頑張ってください🥰 (7月26日 18時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
アイスクリスタル(プロフ) - のあさん» いえいえ、お気になさらず!コメントありがとうございます! (6月16日 23時) (レス) @page1 id: f3df70ac44 (このIDを非表示/違反報告)
アイスクリスタル(プロフ) - のあさん» ありがとうございます!!そう言っていただけてとても嬉しいです!がんばりますね! (6月16日 23時) (レス) id: f3df70ac44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アイスクリスタル | 作成日時:2023年6月16日 23時