- 子犬とストーカーさん / うらたぬき-

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｢おかえりA___｣


浦田の家から歩いて10分。

本当に近くで、すぐに家に着いた

ドアを開けると にっこりとした笑顔で出迎えた兄


｢ただいま、まふくん｣


いつものように言うと嬉しそうにしながら玄関のドアを閉めた

私の兄は優しい。とても。だから すごく 怖い。


｢今日は少し遅かったね ?どうしたの ?｣


｢少し、友達と話してて...ごめんね。｣


苦笑いをしつつ 誤魔化すと信じてくれる兄

私の事は何でも把握していて 過度な心配性

少し歪んでいる兄は 私に'お兄ちゃん'とは呼ばせてくれない

好きだけど、大嫌い。少しというかとても兄が苦手


｢明日は何時に帰ってくるの ?｣


｢うーん.. 明日もこのくらいの時間かな｣


｢そっか、気をつけてね｣


部屋の前までくると 頭を撫でて自室へ戻っていく兄

いつになったら兄は 私から離れてくれるのか

部屋に入って着替えながら考える

兄の友達、彼方さんから聞いたけど 彼女はいないみたい

だけど すごくモテるから 大学でも人気なんだって。

確かに 私と違って兄は、まふくんは 容姿端麗 成績優秀 性格もいい。

だから 小さい頃から 何かと比べられては まふくんばかり愛でられた

お父さんもそう。少し厳しいけどまふくんが いい結果を出せば凄く褒めた

私は結果を出しても 当たり前だと言われたけれど。

お母さんはふたりに平等。...少し私を贔屓してくれているけど。

それでも、親戚や近所の人はいつだってまふくんを贔屓して 愛でた

隣を歩いていても 可愛いわけでも美人なわけでもない私は後ろ指を刺され'何であんな子が''大して可愛くもないのに'と囁かれた

だから、という訳ではないけど どう考えてもやっぱり まふくんが 兄が苦手だった

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Aさんの口調を少し変更しました
そして、毎度お馴染みそらまふ様も出させていただきました

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