5話 ページ8
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「はい、じゃあアザ見せてー」
「はい」
そんな不安も目の前にいるお医者さん(?)により、消えていった。
「手、だけかな……?」
「いや、他にも少し……」
「じゃあそこも見せてね」
言われた通りに、太もも、背中など、服に隠れて見えないアザなどを見せ、診断してもらった。
結果はこうだ。
「アザだけじゃないね、打撲してるとこも数ヶ所みられるし……
その傷は何?」
「……猫にひっかかれた後です」
嘘だ。本当は自分でやった、自称行為。
これをみんなは"リスカ"という。
「乱暴な猫さんだねー、少し深すぎない?」
これはきっと、本当のことを吐かせるための罠。
私にはまだ、ボキャブラリーがあるのです。
「そうなんですよ、またたびを与えたら急に興奮しだしちゃって……」
「そっかー、そりゃあ大変だったねー」
家に猫はまだいない。明後日くる予定があるのだ。
猫のこと、調べておいてよかった。
「はい、これで診断は終了! !お薬はもうちょい待ってて」
「ありがとうございます。えっと……先生?」
適切な呼び方が分からなかった。というより、名前を聞いていないので呼べなかった。
「せ、先生かー」
少し照れたように頭をかき、頬をほんのり染める先生。
「俺、しんぺい神っていうんよ、そっちの方がしっくりくるからそう呼んでくれん?」
しんぺい神というらしい彼は、訛った口調で小さなお願いをしてきた。
「はい、しんぺい神さん。ありがとうございました」
彼は、それでよし !とでもいうかのように微笑み、はい。と応えた。
「敬語もなくてもええんやで?」
と言われたが、初対面で目上の人に敬語なしだなんて……という真面目優等生のようなことを頭に巡らせながら笑って流す。
ガチャリ
と音を鳴らせて扉を開ける。
「あ、どうでしたか?」
診断の感想を聞こうとしているのだろう。
……診断にどうもこうもないが。
「とても優しい方で、丁寧に診断してくださいました」
スラスラーっと頭に浮かんできた言葉で済ませる。
「そうですか、それは良かったです」
嬉しそうに微笑む先生。
人のことなのに、どうしてそんな風に笑えるのだろう。
そんな彼を、ただただ羨ましく思うだけであった。
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小鳥遊 時雨。 - テネブラエさん» ご指摘ありがとうございます!!修正致しました。これからはできるだけ少なくなるように気を付けます!!! (2018年4月1日 18時) (
レス) id: 0d4223436a (このIDを非表示/違反報告)
テネブラエ(プロフ) - すいません8話のバリトンがハリトンになってますよ~ (2018年3月27日 19時) (レス) id: 706598854f (このIDを非表示/違反報告)
苺飴。 - ルミナ（ルナ）さん» ご指摘ありがとうございます ! 記憶ガバガバですみません(笑) 修正加えますね。 これからも頑張ります! ! (2018年2月25日 12時) (レス) id: 0d4223436a (このIDを非表示/違反報告)
ルミナ（ルナ）(プロフ) - すいません、面白いんですけど一つだけ。４ページのところは、『そうか、そうか、つまりきみはそんなやつなんだな。』です！更新頑張ってください！ (2018年2月25日 7時) (レス) id: bc62a29e53 (このIDを非表示/違反報告)
苺飴。 - 違反報告までお手間をかけさせてしまい、すみません。以後気を付けます。 (2018年2月24日 12時) (レス) id: 61f445cd36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉月。f31 | 作成日時：2018年2月20日 20時
