11話 ページ19
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あれから学校へ通いながら料理をしたり、お菓子を作ったり、食器を運んだり。
そんなこんなで1週間がすぎた。
今日、やっと帰ることができる。
「A、いくか?」
「え?……うん」
ゾムの問いを答えるのに、少し間をとってしまった。
「はい、じゃあぼくが連れてくよ」
そう言えば、立ち上がるしんぺい神。
やっと帰れる。
嬉しいはずなんだ。
自室へ行けば絵が描ける。
下へおりればゲームができる。
嬉しいはずなのに、喉奥がつっかえる。
どうしてか、素直に喜べない。
嬉しくない。
「Aちゃん……?」
嗚呼、嫌なんだ。
家に帰ることが。
「私、帰りたくない……」
思いきってそう言えば、少し困った顔をするしんぺい神。
「とりあえず、今日は帰ろうね。またいつでもおいで。ねー、みんな! !」
「せやで」
「うんうん」
しんぺい神の問いかけに肯定をするように頭を縦に振る人たち。
いや、家族。
どうやらこの1週間が、楽しすぎたようだった。
「A、学校ではいつも通りにせっしてくださいね」
「……はい」
しんぺい神は私の手首をつかめば、玄関の方へと引っ張っていく。
「ほらA。今日は帰ろう」
仕方なく頷けば彼は満足したようで、うん !と、にっこり笑みを浮かべるしんぺい神。
帰らなければならないんだ。
家が近付くほどに憂鬱になる。
遊ぶことは嫌いだ。
そのあとの別れが、つらいから。
「はい、着いたよ」
「……ありがとう」
挨拶しに行くのかなーと思えばそんなことはなく。
一人で帰ってきたって言うんだよと一言いえば、彼は帰っていった。
ただいま
返事は聞こえない。
いや、ねこがいた。
私の足元でにゃーにゃー鳴くこの子。
名前が分からない。
そうか、お父さんが連れて帰ってきたのか。
抱き上げれば、小さいことがよくわかる。
……3ヵ月、だっけ。
白く、綺麗な目をしているこの子は、私を見つめてくる。
撫でてあげれば、満足そうに鳴いてくれる。
かわいいな。
撫でられるのに嫌気が指したのだろうか、その小さな手で撫でている方の手を叩こうとする。
やっぱり私は一人なんだなって、この小さなからだの主に思い知らされた。
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続く (更新停止中)
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小鳥遊 時雨。 - テネブラエさん» ご指摘ありがとうございます!!修正致しました。これからはできるだけ少なくなるように気を付けます!!! (2018年4月1日 18時) (
レス) id: 0d4223436a (このIDを非表示/違反報告)
テネブラエ(プロフ) - すいません8話のバリトンがハリトンになってますよ~ (2018年3月27日 19時) (レス) id: 706598854f (このIDを非表示/違反報告)
苺飴。 - ルミナ（ルナ）さん» ご指摘ありがとうございます ! 記憶ガバガバですみません(笑) 修正加えますね。 これからも頑張ります! ! (2018年2月25日 12時) (レス) id: 0d4223436a (このIDを非表示/違反報告)
ルミナ（ルナ）(プロフ) - すいません、面白いんですけど一つだけ。４ページのところは、『そうか、そうか、つまりきみはそんなやつなんだな。』です！更新頑張ってください！ (2018年2月25日 7時) (レス) id: bc62a29e53 (このIDを非表示/違反報告)
苺飴。 - 違反報告までお手間をかけさせてしまい、すみません。以後気を付けます。 (2018年2月24日 12時) (レス) id: 61f445cd36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉月。f31 | 作成日時：2018年2月20日 20時
