僕は君に2度恋をする【Hayato.K】 (ページ22)

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#22 ページ22

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｢はぁっ、｣

家を飛び出して大雨の中、

傘もささずにただ走り続けた。

道を行く人に不審な目で

見られててもおかしくないだろう。

でも、そんな事は今はどうでもよかった。

仕事の帰り道、変装のためにつけていたマスクも

びしょ濡れになって使い物にならず

コンビニのゴミ箱に捨てた。

公園、カフェ、思い当たるところは全て探した。

それなのにどこに行っても彼女は見つからない。

｢っ、どこ行ったんだよっ、｣

見上げれば出会った日と同じように暗い空。

雨はきらいだったはずなのに

あの日から、君を見つけた日から

いつの間にか僕は雨が好きになっていた。

何度彼女の名前を呼んだって

返ってくるわけもなく、

僕の声はただ真っ暗な空に吸い込まれていく。

雨も、寒さも、季節さえも、

あの日と何も変わらない。

ただ、君がいなくなったという事実だけが

僕に現実を突きつける。

ねえAちゃん

僕は君といられればそれでよかったんだよ。

僕が夢を追う姿を、1番近くで

君に見ていて欲しかった。

あの日、出会った君も

ミネストローネを作ってくれた君も

隣で眠る君も、

初めて抱きしめた温かい君も、

全部全部、愛おしいんだ。

君と2人で並んで

'' おやすみ ''と'' おはよう ''を言い合えれば

僕にとってそれ以上の幸せはないんだ。

君は違ったのかな

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