ケモノなWESTにご注意を

約束 ページ5

貴方side




あ「ごめん、望！」



望「もー、ゲーム準備出来た！」



部屋に駆け込むと、そこには少し拗ねた様子でソファーに座っている望。

その姿は大きい体とは裏腹に小さい子供の様。





あ「ちゃんと待ってくれてありがとう。」


そっと拗ねている望の頭を撫でる。
すると大体望は機嫌を直す。






望「もう、許すのは今回だけやで！早う遊ぼ！」




あ「そうだね。」


ソファーに2人並んで、テレビに向かう。









望「よっしゃー！俺の勝ちー！」




あ「あー、望強いよー。」




望「へへ、せやろ？」



嬉しいそうに微笑む望は、こてっと私の頭の上に自分の頭を乗せた。


多分、本当は肩に乗せたいんだろうけど、身長差的にこっちの方が楽なんだと思う。








あ「どうしたの？望。重いよ。」




望「この後、検査なん。」



小さな声で答えたその言葉に、望の言いたい事が何なのかすぐに理解した。


検査と言っても、少しの間心理テストやお医者さんと色々話したりするだけなんだけど、望は病院が嫌いらしくて逃げ出した事もあるらしい。





あ「、、、怖い？」


望はビクッと反応して、その後私の手を握った。






望「うん…ちょっとだけ。」


望の手は少し震えていた。


私は皆の面倒を見てはいるけれど、病院への付き添いは許されていない。


だから行くのはいつだって1人。



私に出来ることなんて、いつも小さな事ばかり。








私はその手を握り返した。


あ「大丈夫だよ。ちゃんと帰ってくるの、待ってる。」




望「…約束やで？」




あ「うん、約束。」

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