ケモノなWESTにご注意を

訪問1,2 ページ18

貴方side



コンコンッ


淳「はーい。」


扉を開けると、仕事をしてたのか眼鏡の淳太くん。



あ「眼鏡いいね。似合ってる。」


ほんま？ありがとう、なんてにこにこしている淳太くんの様子から、あ、症状出てるなってすぐに分かる。





淳太くんのお部屋訪問はいつも凄く手短。



あ「今日も1日頑張りました。」


頭を撫でて、ハグを1回する。
これで終了。




というのも、昼間に症状が出ない分夜間に長時間一緒に居ると、何をしでかすか分からないからと、淳太くんから言い出した事。


休日の昼間に散歩という名目で私と一緒に出かけられる淳太くんは、残りの皆から非難殺到な分、少し気を使っているのかもしれない。



あ「ちゃんと休んでね？おやすみなさい。」



淳「ありがとう、大丈夫やで。おやすみ。」


仕事でも家でも気を使う事ないのになって思うけど、本人の意思が第1の私が口を出すのは余計なお世話だよね…。









重のお部屋訪問も、わりと単純。


コンコン

重「Aー！今日はこれやー！」


1人部屋でも元気な重。


そんな重は初日に暴れてベッドを壊した事から、移動して布団のある和室という今までにない部屋にいる。




あ「はいはい。ってこれ、ピーターパン？」


重は毎晩のように子供の絵本を読んで寝る。
夢の中に少しでも明るいものが出てきますようにっていう重なりのおまじないらしい。



重「これ好きやねん！これ読んで寝るとな、空飛ぶ夢見れんねん！」


私の仕事はこれの読み聞かせ。




あ「分かった。じゃあ、早く布団に入って。」



重「おん！」


重は人一倍子供っぽいけど、望みたいな甘えん坊な一面を見た事がない。

抱きつかれた事がなければ、手を繋いだ事もない。


正常と言えば正常、なのかも知れないけど…





あ「…おしまい。」



重「ありがとうな。」



あ「ううん。これで今日はうなされないといいね。おやすみ。」



重「おやすみ。」


何処か遠い気がするのは、私の気のせいかな？

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