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不安が膨らみ、今いる場所から早く逃げ出したいという気持ちが募っていく。
(早く、戻らないと……っ)
廊下の突き当たりの壁にはルーヴルで見た扉と、同じデザインの扉がある。
(この扉の向こうにあの長い廊下が
あって、そこを通ればルーヴルに……)
扉へ手をかけ、来た時と同じように押し開こうとするけれど＿＿びくともしない。
サナ「あれ……？どういうこと……」
何度押しても開かない扉を前に、さらに不安が募ったその瞬間……
？？「……お前、そこで何してる？」
サナ「えっ……」
突然聞こえた声に驚きながら振り返ると、すぐ近くに漆黒の髪の男性が立っていた。
(誰……？)
一瞬、先程の白昼夢が頭を過ぎるものの、目の前の男性に危険な様子はない。
(あれは夢だし、この人は
大丈夫そう……だよね。
それに……私以外に人がいて、
少しほっとした)
サナ「あの、すみません！
ここの開け方ご存知ですか？
戻ろうとしても全然開かなくて……」
？？「何言ってんだ。……まさか、
この扉を抜けてきました、なんて言わねえよな」
サナ「え……？私、この扉からここへ来ました。
アンティークが沢山置いてある、
細い通路を通って……」
男性の表情が、どんどん険しくなっていく。
？？「……おい、お前一体、何者＿＿」
男性が何かを言いかけたその時……廊下の奥から、もうひとつ足音が聞こえてきた。
(他にも人が……！)
聞ける人は多いほうがいいと思い、声をあげる。
サナ「あの……っ！？」
次の瞬間、目の前の男性は私の口を塞ぎ、強く身体を引き寄せた。
(えっ！？)
カーテンが大きく翻り、その影に二人で隠れるように密着する。
(な……何っ……？)
突然のことに身体を強ばらせると、まるで “警戒するな” とでも言いたげに肩をそっと抱かれ＿＿耳元で低い声が囁いた。
？？「俺はお前をどうこうするつもりはない。
………だから、今は黙ってろ」
月明かりに照らされて、ようやくはっきりとその顔を確認できる。
濡れたような艶やかな黒髪と、整った顔立ち、そして＿＿
？？「………」
目の前の大きな瞳は、真剣に私を見つめていた。
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まっちゃ - すごく面白いです！更新待っています！ (2021年4月30日 20時) (
レス) id: bd6a8b3525 (このIDを非表示/違反報告)
桜三日月 - とても面白い作品ですので、更新されるのを心待ちにしております。 (2021年3月19日 15時) (レス) id: cdf7c342c5 (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - 文章力が凄い…。私如きがこんな素敵な小説を見ていいのだろうか(・.・;)見た瞬間すぐ好きになりました！更新されるの待ってます！ (2020年8月4日 12時) (レス) id: 39cb5e0646 (このIDを非表示/違反報告)
ケビン2号機(プロフ) - 凄く好きです！！更新まってます〜！ (2020年1月17日 19時) (レス) id: ffa145d5a9 (このIDを非表示/違反報告)
SHUGAR - とても面白いです。これからも頑張ってください。ちなみに私はアイザック推しです←(聞いてない (2019年12月20日 10時) (レス) id: 91b89ed012 (このIDを非表示/違反報告)
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