Primrose-乙女の愛- (ページ6)

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3輪ページ6

HIROside

A宛ての義兄さんからのプレゼントを受け取ってから暫くするとAが目を覚ました

HI「目が覚めたか?」

『……ん(ｺｸ)』

まだ眠いのか、目を擦るAを下ろし、先程渡された物を差し出した

HI「お父さんからAにって」

『お父さんから?…開けて見ても良い?』

HI「勿論、Aへのプレゼントだからな(微笑)」

Aは袋を開け、中に入っていた物を取り出した

『箱?……わぁ…』

箱の中には、無色透明な石で作られたペンダントが入っていた

HI「きれいなペンダントだな」

『うん。キレイ。これね、私の誕生日石のゴシェナイトっていうんだって』

そう言って、同じ袋に入っていた紙を渡してきた

そこには、ゴシェナイトの説明が書いてあり、数ある効果の中で

“夢や目標など、決して簡単には手にできない険しい道のりを信念を持って突き進む力を与えてくれる”

Aにぴったりだと感じた

芸能界で生き残って行くためには、実力は勿論のこと、険しい道のりを突き進む信念が必要だからだ

子役から生き残るのはほんの一握り、その試練を乗り越えて欲しいと義兄さんは願いを込めたのだろう

ペンダントをAにつけ、話を切り出しだ

HI「A、これからどうしたい?…俺は、Aを俺の娘として家族として一緒に暮らしていきたいと思ってる

でも、Aが嫌なら、無理強いしたくないから正直に言って欲しい」

Aは、考え込むようにペンダントを握り締め、俯いたまま

『……ぃの?』

HI「ん?」

『いいの?ひーくん、お仕事あるでしょ?迷惑かけちゃうよ?それでも一緒にいてもいいの?』

HI「それでもいいんだ。俺がAの家族になりたいんだ。姉さん達の代わりにはなれないけど一緒にいたいんだ」

目を潤ませ不安そうにAは俺を見た

『ひとりぼっちじゃないの?』

HI「Aは、独りじゃないよ。俺がいる。俺がAのそばにいれないときは、古田さんがいるから

不安なとき、寂しいとき、色んなときを教えて欲しい。色んなときを二人で分け合っていこう?」

『…ｸﾞｽﾞｯうﾞんﾞっひーくんとっ家族になるっ』

俺の服の裾を遠慮がちに握り締めて泣きながら言うAの頭を優しく撫で、この部屋にいる古田さんを振り返った

古田さんは微笑みながら頷いた

この瞬間から、Aは俺の娘となり、家族となった

これから、俺とAの新しい生活が始まる