さざなみの出会い 〜始まり〜 ページ22
今日は有希子さんからのお誘いで海水浴へ来ています。
残念ながら、園子お姉ちゃんはどうしても外せない用事があるみたいで、今回は蘭お姉ちゃんと新ちゃんと僕たちで海水浴を楽しむことになった。
勿論、優作さん達が保護者として僕達と一緒に来てます。
…そう、有希子さんが今回の保護者なのです。
分かってましたよ！
覚悟はしてましたよ！
嫌だよ！この水着！だって、女の子用じゃない！
実は僕…何故か有希子さんに弟子入りしている…らしい。
入学祝いのパーティの時に、何故か僕からお願いして有希子さんの弟子になったらしいんだけど、全く記憶にございません！
翌日、酷い頭痛に悩まされたから覚えてないのはそのせいなのかな…？
まぁ、そのせいでこの現状…。
嫌だなぁ…。だってこれビキニだよ…。
男がビキニは…流石に変態さんだよ。
でも、これ着ないと有希子さん凄く怒るんだろうなぁ。
はぁ…。
せめて、パーカー羽織って隠そう。
この後、有希子さんからは
「まぁ、パーカー羽織るってのもそそられるから良しとするわ！」
とのお言葉をいただいた。
ーーー
「なぁ、蘭？」
「え？どうしたの新一？」
「いや、トーマのやつ…一体何になるつもりなのかな…？」
「えっ〜と…まぁ、でも似合ってるからいいんじゃない？」
「まぁ、確かに似合ってるっちゃ似合ってるけど…。
親友としては、複雑な心境だぜ…。」
「そう思うなら、有希子おばさんを説得してあげたら？
きっと、トーマくん喜ぶよ？」
「いや、それは無理…だな。」
「…。」
「…。」
「ん？どうしたんだ？二人とも…？
折角、海に来たんだし泳いできたら？」
「いや、トーマ…。
流石にお前が可哀想だし、俺らも一緒に居てやるよ。」
「…別に僕のことは気にしないで泳いで来ていいよ？」
「お前も一緒に泳ぐならそれでもいいけどよ…。」
「そっか、新ちゃんは僕にパーカーを脱げと言いたいんだ…。
そっか…。」
「嫌だろ？
だから、気にすんなよ。
それよりおなか空かねぇか？
あそこに海の家あるから何か食いに行こーぜ！」
「そうね、トーマくん！何か食べよ！
食べながら泳ぐ以外で何して遊ぶか考えよう！」
「…新ちゃん、蘭お姉ちゃん…。ありがと…。」
「気にすんなよ。」
…正直、顔を真っ赤にしてるトーマが可愛くて俺も蘭も直視できなかったのは仕方がないことだったと思う。
終わり
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作者名：ライラック | 作成日時：2018年5月3日 19時
