悲劇の入学祝い［後編］ ページ21
恥ずかしい…。
何で小学校の入学祝いで僕女装しなくちゃいけないの…？
恥ずかしすぎて凄く喉乾いちゃうじゃん！きっと僕今羞恥心で顔真っ赤だよ！
…でも、流石鈴木財閥のパーティ…、飲み物も料理も今迄経験したことないくらい美味しい。
蘭お姉ちゃん、園子お姉ちゃん…。
そんなに黄色い声をあげないで…。
え？何？これはいい事を知ったって？
園子お姉ちゃん、それ嫌な予感しかしないから辞めてください…。
新ちゃん…。
見惚れないでよ…、こんな格好してるけど、僕だよ？トーマだよ？
あっ、でも新ちゃん僕のこと最初女の子だと勘違いしてたね…。
はぁ…。
父さん、小五郎さん、優作さん…。
あっ、ダメだ。この人たち酔っ払ってる。
もうどうしようもないな…。
小五郎さん、「10年後が楽しみだな！ガハハハ！」て何？10年後て、僕まだ高校生だよ？犯罪だよ？
てか、そもそも男だよ？
有希子さん…。
サムズアップされても…。いや、流石私ね！トーマくん！これからも私に任せてね！って顔してるけど、これきりで勘弁して下さい！いや、本当に！
ん？誰かに肩に手を置かれた？
あっ、英理さん？
あっそうですか…期待しても無駄ですか。
いや、寧ろこれって僕の長所なんじゃない？
そうだよ！
こんなに可愛くなれるんだもん！何かの武器になるかもしれないじゃん！！
よーし！こんなったら有希子さんに頼みこんで色々なスキルを身につけるぞ！
善は急げ！
「有希子さーん！あのね！僕ね！」
僕は飲んでたジュースを机に置いて有希子さんのところに駆けていった。
「あら？これ度数は低いけど、カクテルじゃない？
全く、誰よもう！間違って子供たちが飲んだらどうするのよ！！」
後ろから聞こえてきた声に気付くことなく僕は有希子さん達と楽しい楽しいパーティを過ごした。
この一夜の出来事が今後の僕の人生を大きく左右することになるとは、この時の僕は考えもしなかった…。
「アハハ！僕、いえ、私今日はとっても楽しいですわー！
あれ？どうしたの新ちゃん？
顔が引きつってるわよ？ほら！折角のパーティなのだからもっと楽しみましょーよ！！
キャハハハハ」
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作者名：ライラック | 作成日時：2018年5月3日 19時
