蘭お姉ちゃん！ ページ11
あれから、わたしたちは無事に保育園に戻ることが出来た。
お巡りさんからも「しっかりハキハキ喋ってて偉いぞ！」って褒められた。
逆にトーマくんはお巡りさんから「男の子なんだからメソメソしてないで、しっかり女の子を守ってあげないとな！」って言われてた。
いつも、しっかりしてると思ってたトーマくんでも、こんな風になることもあるんだって分かって、私は少しだけびっくりした。
でも、何よりも嬉しかったのは保育園に戻ってから…
「今日はありがとう！えと…『蘭お姉ちゃん』のお陰でちゃんと保育園に戻って来れたね！」
って、トーマくんに言われたことだ！
「…。」
あまりに嬉しくて何も言えなかったら、トーマくんが覗き込んで
「蘭お姉ちゃん？どうしたの？」
って聞いて来た。
「…もう一回、言って…。」
「え？何を？」
「さっきの、もう一回だけ…。」
「さっきの？えっと…今日はありがとう…？」
トーマくんは首を傾げてそう言った。
「違う！その後の！！」
『えっ…？『蘭お姉ちゃん』…？」
「…！！！」
私は余りに嬉しくて顔が相当ニヤけてたと思う。
「！？蘭お姉ちゃん手痛いよ…？」
「えっ！？あっ、ごめんね」
つい、手に力が入ってしまうほど、私は嬉しかった。
でも、鼻唄まじりで保育園に入ったらせんせいから凄く怒られた。
ーーー
「…どうしよう…。調子に乗りすぎた…。
あれ？これてもしかして僕これからずっと蘭ちゃんのこと、蘭お姉ちゃんって言わなきゃいけないの？
一応、同い年なんだけど…。
…まぁ、いいか。
あの時の蘭ちゃんのニヤけた顔凄く真っ赤で可愛かったから(笑)」
しかし、鬥真は知らない。
蘭お姉ちゃんと言うことになったら、園子まで園子お姉ちゃんって言わないと返事してくれなくなるということを…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ライラック | 作成日時：2018年5月3日 19時
