25.秀麗 ページ29
『ただいま』
「お疲れ様ですー!さっきお客さん来ましたよ!」
『やっぱり?もう帰っちゃったかー』
急いで戻ってきたけれどあの二人はもう帰ってしまったようだ。
「なんか知り合いとかっすか??」
『いや違うけど。』
「えっ」
『和むなあって。おじいちゃんと孫のペアって最高だと思わない?』
「いや」
『えっ』
どうも最近の若者と趣味が合わないようだ。それなりに私も若いつもりだったんだけど。やはり歳には逆らえない。
『それで?あの二人何買っていった?』
「ちょっと個人情報の観点から答えられないっすね」
『そういうのいいから。で?』
「え、怖。クッキーを大量に買って行きましたけど」
『やっぱり?』
あのおじいちゃんのことは完全に分かった。近所付き合いの良いおじいちゃんだ。とても孫に甘いタイプだ。そしてあの女の子はそれを収める側だ。買いすぎよ。とか言っておじいちゃんに注意するんだ。でもおじいちゃんはそんな女の子に以来、買いたくなっちゃってまた買いすぎるんだ。うわなんて良い二人。あー、惜しいことをした。
「あー、あともう一人お客さん来ましたよ。」
『えっ?珍しい。』
「新規さんかな、なんかイケメン…」
『毛利さんより?』
「比べられないくらい。」
『それは超絶イケメンだなあ』
「いやー、大人の色気っていうんすかね。俺、見惚れちゃいましたもん。また来てくんねーかな、あの人。」
『抱かれたい?』
「何聞くんすか、セクハラっすよ」
両手で体を守るようにする仁君。確かに今のはセクハラだった。本当に悪いと思ってる。
でも仁君がその人のこと話す顔が完全に乙女だったからつい、女子会のノリで。
「あー、眼福。」
『すごい、そんな言葉知ってたんだ』
「あ、パワハラっすよそれ、」
『えっ。う、うそうそ、冗談』
「パワハラ上司の典型文っすよ」
『うわ…んん、良いのかね?私にそんな口を聞いて。私は君をクビにすることだって可能なんだぞ。そのイケメンと会えなくさせることだって出来るんだからな』
「うっ、す、すみません係長」
『係長は意外と役職低いなあ。』
仁君の良いところは冗談を言いあえる関係であるところだ。こちらの冗談をしっかり冗談と認識できる人間はありがたい。変に勘違いされずに済む。
『で?イケメン何買ったの?』
「メモに書いてきた豆とチョコをちょこっと。」
『マメな人だね。』
「うわ、そういうの寒いっすよ」
『え』
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京風ラーメン - 武虎さん» コメントありがとうございます。この後の展開もその勘違いが上手く繋がっていくように考えていますので、2人を楽しく見守っていただけると嬉しいです。武虎様も、流行の病のみでなくインフルや花粉、五月病に負けぬようお身体を大切にして下さいね:) (2020年2月29日 1時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
武虎 - 勘違い……なんだけれどもかみ合って進んで行く楽しさ。大好きです。この御時世、お身体ご自愛しつつ更新をお願い致します。 (2020年2月27日 21時) (レス) id: a4e61f3629 (このIDを非表示/違反報告)
京風ラーメン - 桜ひかりさん» コメントありがとうございます。勘違いの部分を楽しく見ていただからとこだわった甲斐があります。更新も出来る限り頑張っていきますのでこれからもよろしくお願いします。 (2020年2月22日 0時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - 勘違いが凄すぎて笑ってしまうwww更新してくださるの楽しみにしてます (2020年2月18日 21時) (レス) id: d6d394990c (このIDを非表示/違反報告)
京風ラーメン - 鴉屋媒鳥さん» :−P (2020年1月31日 0時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京風ラーメン | 作成日時:2020年1月11日 2時