21.四人 ページ25
「「「こんにちはー!」」」
『いらっしゃいませ。こんにちは。』
安室さんが帰ってから数時間。元気な声とともに入ってきたのは4人の子供。
1人は顔見知りで仲良しだと勝手に思っているコナン君。他三人はこの前公園で遊んでいた三人だろう。
『コナン君の友達?』
「お姉さんコナン君のお知り合いなの!?」
『お、おお、元気だね…』
身を乗り出して聞いてくるのは女の子。大人びてらっしゃるブラックコーヒー好きなコナン君にもやはり良い相手はいるということか。隅に置けないなあ。
「えっと、Aさん!今日はその、クッキーを買いに来たんだ。」
『そうなの?おつかい?』
「うん」
コナン君、友達と一緒に遊べる子供だったんだな。他の子より大人びているからって友達が居ない訳じゃないのか。少し安心した。
「うーん…」
「どうした?光彦。」
「なーんか、この人見たことあるんですよねえ」
「Aさん、どこかでこいつらと会った?」
『ああ、話したのはそこの子だけ。前にボールを拾ってあげたことがあってね。』
「あっ!あん時のねーちゃん!!!」
『そうだよ。みんなコナン君のお友達だったんだね。今日は何を買いに来たのかな?』
こんなに珈琲屋に子供が来ることもない。あまり得意でない子供相手だがそれを態度には出さないようにする。4人の子供だけで来る、となるとクッキー目当てだろう。
「クッキーを5つ!」
『5つね。』
1つ多いのは保護者の方にでも渡すのか、多めに食べたい人がいるのか、というあたりだろうか。その子の手に握られていたお金がクッキー代とぴったりだったから保護者がいるのだろう。
「なあ、ここなんか変な匂いじゃねえ?」
「それはここが珈琲豆を売る店だからだよ。」
「珈琲豆?」
「ああ。さっき看板見なかったか?珈琲豆工房まめやって書いてあったろ?」
「珈琲って豆なのか!?」
「元太君知らないんですか?」
『みんなまだ子供だからね。珈琲は縁遠い存在でも仕方ないよ。ほら、クッキー。』
みんなの中にコナン君は入っていない。彼は例外だろう。そうそうコーヒー好きな子供が多くても怖い。いれば嬉しいけれど。
「ありがとう!でも、哀ちゃんもコーヒー好きだよね?」
「確かに。コナン君もよく飲んでますね。」
「お、おい!お前ら早く帰ろうぜ!博士が待ってる!」
「じゃあなねーちゃん!」
「またねー!お姉さん!」
「ありがとうございました!」
『またねー』
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京風ラーメン - 武虎さん» コメントありがとうございます。この後の展開もその勘違いが上手く繋がっていくように考えていますので、2人を楽しく見守っていただけると嬉しいです。武虎様も、流行の病のみでなくインフルや花粉、五月病に負けぬようお身体を大切にして下さいね:) (2020年2月29日 1時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
武虎 - 勘違い……なんだけれどもかみ合って進んで行く楽しさ。大好きです。この御時世、お身体ご自愛しつつ更新をお願い致します。 (2020年2月27日 21時) (レス) id: a4e61f3629 (このIDを非表示/違反報告)
京風ラーメン - 桜ひかりさん» コメントありがとうございます。勘違いの部分を楽しく見ていただからとこだわった甲斐があります。更新も出来る限り頑張っていきますのでこれからもよろしくお願いします。 (2020年2月22日 0時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - 勘違いが凄すぎて笑ってしまうwww更新してくださるの楽しみにしてます (2020年2月18日 21時) (レス) id: d6d394990c (このIDを非表示/違反報告)
京風ラーメン - 鴉屋媒鳥さん» :−P (2020年1月31日 0時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京風ラーメン | 作成日時:2020年1月11日 2時