17.質問 ページ20
「お姉さん。こんにちは。」
『あれ?コナン君?こーんにちはー』
アルバイト仁君が休みの平日、四時過ぎごろ。
一人で店番中にカランと店のドアが開き、小さいお客さんがやって来た。
『ここに来るのって初めてじゃない?誰からか聞いた?』
「うん!梓さんが教えてくれたんだ。」
『よく道間違えないで来たね。偉い子には珈琲を一杯ご馳走してあげよう。』
「えっ、店の中でも珈琲飲めるの?」
『そうだよ。豆だけじゃなくて軽く珈琲を楽しめるように色々置いてあるんだよ。だからそこに一つだけテーブルと椅子があるんだ。』
基本的に豆だが、一杯飲むこともできる。とはいえ喫茶店と違いメニューに料理はほとんどない。珈琲豆とクッキーやチョコ等のお菓子くらいだ。
こっそりワインセラーを作って私用に使ってもいる。仲の良い相手の場合は夜に店で呑む時もある。
『ポアロの豆と同じやつでいいね?』
「うん!」
『ポアロほど美味しくは淹れられないけど、ま、お菓子もつけるし。』
「Aさん、ありがとう!」
『おっと、素直なコナン君はちょっと怖いな。何か話しに来たのかな?』
「あ、いや、う、うん…」
歯切れの悪い返事。まあ、何か複雑な話か恋の悩みか、なんであっても彼と話すときは子供相手だと考えないことが大事だ。彼自身も、子供扱いはされたくないみたいだし。
そんな会話にはとても熱いホットがお似合いだ。数日前、仁君が火傷したくらいに熱くしよう。
『さあて、何の用かな?』
カップは二つ。小さなテーブルの真ん中にはチョコレート。
「えっと…Aさんってお酒飲むの?」
『え?』
拍子抜けだ。というかその質問は随分前にも聞いた。
『飲むよ。前飲まないって答えたけど、それは嘘なんだよ。』
「やっぱり…」
『あっ、もしかして前毛利さんと飲みに行ったの蘭ちゃんにバレた?』
「い、いや?蘭ねえちゃんは気付いてないと思うよ…?」
『そっか。』
「でもなんで?」
『みんなそれ聞くなあ。飲みに誘われたら面倒だから。コナン君に内緒にしてたのは君んとこの毛利さんを飲みに連れ回してるってバレるの怖くてね。』
「本当?」
『本当だよ。』
「そっか…じゃあさ、お酒だったら何が好き?」
『えっ、何その質問。コナン君ってお酒好きなんだ?悩むなあ、色々飲むの好きで選べないな。』
「一番よく飲むのは?」
『うーん、ラムかな。珈琲と混ぜてカクテルにするんだ。美味しいよ?』
「……ラム、」
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京風ラーメン - 武虎さん» コメントありがとうございます。この後の展開もその勘違いが上手く繋がっていくように考えていますので、2人を楽しく見守っていただけると嬉しいです。武虎様も、流行の病のみでなくインフルや花粉、五月病に負けぬようお身体を大切にして下さいね:) (2020年2月29日 1時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
武虎 - 勘違い……なんだけれどもかみ合って進んで行く楽しさ。大好きです。この御時世、お身体ご自愛しつつ更新をお願い致します。 (2020年2月27日 21時) (レス) id: a4e61f3629 (このIDを非表示/違反報告)
京風ラーメン - 桜ひかりさん» コメントありがとうございます。勘違いの部分を楽しく見ていただからとこだわった甲斐があります。更新も出来る限り頑張っていきますのでこれからもよろしくお願いします。 (2020年2月22日 0時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - 勘違いが凄すぎて笑ってしまうwww更新してくださるの楽しみにしてます (2020年2月18日 21時) (レス) id: d6d394990c (このIDを非表示/違反報告)
京風ラーメン - 鴉屋媒鳥さん» :−P (2020年1月31日 0時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京風ラーメン | 作成日時:2020年1月11日 2時