14.黒鳥 ページ16
「Aさんって、安室さんのこと嫌いなの？」
『えっ、なに、どうしたの突然。』
今日は珍しく仕事が忙しい日だった。
喫茶店へ豆を届けに行ったところクッキーの噂を聞いたその店が大量発注をかけてきた。なにやら美味しいクッキーを売ってる焙煎店があると噂になっているらしい。
出どころは分からないが、売れることも噂になることも嬉しい。しかし忙しくなることだけはノーサンキュー。
やっとの思いでポアロに豆を届けにきて仕事終わりのところなのだ。家に帰って料理する気力も無し。今日だけはポアロに甘えさせていただこう。
そうしていたら隣の席に小さい子供。コナン君。
毛利探偵事務所は蘭ちゃんが泊まりに出掛けたとかで毛利さんとコナン君はポアロにお世話になるとのことらしい。
それでさっきまではコナン君と小説の話をして、思想家の話をして、世界五分前仮説の話をしていたんだ。
「ねえ、聞いてるー？」
『あ、うんうんもちろん。なに？』
「だーから、安室さんのことなんで嫌ってるの？」
なんでこの話になったんだろう。コナン君はいつも突然だ。
『それはね、彼の顔が良いからだよ。』
彼の顔が良いから、女性客が増え、珈琲を頼むだけ頼んで飲まないで残す。どこにも彼が悪い要素は無いのだが、まあ、仕方ない。ポアロ古参としての捻じ曲げられないプライドがあるのだ。
「顔が良いって？」
『あ、いや、ごめんごめん。子供に悪口を聞かせるもんじゃない。』
こんな自分勝手な大人の姿を見せることは悪影響。よくない。とてもよくない。
「…でもそうなんだ。やっぱり嫌いだったんだね！」
『はい、この話おーしまい。めでたしめでたし。』
さらっと話を戻そうとするコナン君は子供らしいようならしくないような。大人だったら流石に空気を読んで話に触れないところを子供は容赦なく聞いてくるから得意じゃない。
『で、コナン君次なにについて話そうか？』
「う、うん。えーっと…Aさんって、休日なにしてるの？」
『休日はね、外に出てぼーっとしたり、猫を触ったり、カラスの鳴き真似したりね。夕方とかはカラスに向かって歌ってるよ。かーらーすー。何故鳴くのー？ってね。』
「………」
『そういうコナン君は？』
「…」
『コナン君？』
「あっ、ご、ごめんなさい。ちょっとぼーっとしちゃった。えっと、なんの話だっけ…？」
『もー、コナン君はたまにドジだよね。…子供らしいとこもあるんだねえ。』
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京風ラーメン - 武虎さん» コメントありがとうございます。この後の展開もその勘違いが上手く繋がっていくように考えていますので、2人を楽しく見守っていただけると嬉しいです。武虎様も、流行の病のみでなくインフルや花粉、五月病に負けぬようお身体を大切にして下さいね:) (2020年2月29日 1時) (
レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
武虎 - 勘違い……なんだけれどもかみ合って進んで行く楽しさ。大好きです。この御時世、お身体ご自愛しつつ更新をお願い致します。 (2020年2月27日 21時) (レス) id: a4e61f3629 (このIDを非表示/違反報告)
京風ラーメン - 桜ひかりさん» コメントありがとうございます。勘違いの部分を楽しく見ていただからとこだわった甲斐があります。更新も出来る限り頑張っていきますのでこれからもよろしくお願いします。 (2020年2月22日 0時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - 勘違いが凄すぎて笑ってしまうwww更新してくださるの楽しみにしてます (2020年2月18日 21時) (レス) id: d6d394990c (このIDを非表示/違反報告)
京風ラーメン - 鴉屋媒鳥さん» ：−P (2020年1月31日 0時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京風ラーメン | 作成日時：2020年1月11日 2時
