27.糸目 ページ32
『いらっしゃいませ』
「あっー!!!!Aさん!この人この人!」
『えっ、なになに?』
ひとりのお客様が来店なされて小声ながらもテンションの上がった様子を見せる仁君。
目をキラキラさせてニヤニヤと弛む頰を隠そうともしない。
「だから!あの!超絶イケメンの!!!」
『あっ!あー!!なるほど!!!』
2人でコソコソ話をしている最中その超絶イケメンは店内を見渡し商品を見物中。
「イケメンでしょ?ね?」
『確かに。毛利さんよりは確実にイケメン。』
「あのメガネの奥の瞳が気になるんすよ!」
『糸目?』
「俺糸目フェチなんすよ!!」
『初めて聞いた。』
「あーっ、かっこいい。目の色何色だろうなあ。茶色かなあ、黒かなあ、」
『あの人スタイルいいな、身体結構できてるね』
「ちょっ、変態!やめてくださいよそういう風に見るの!」
『別に仁君のことじゃないからいいでしょ。』
「いや、でも確かにあれ、結構鍛えてるっぽいですよね。」
『そうだなあ。なんかこう、スポーツ選手かもよ?』
「えっ、サイン!サインサイン!」
『モデルかもよ?』
「サイン!!!!」
「あのー、すみません。」
『あっ、はい。』
イケメンに話しかけられた。明るめのブラウンにメガネ、糸目。これは一部層に大変人気の出るタイプ。現に仁君にどハマりしている。
「このクッキーって、ラッピング出来ますか?」
『出来ますよ。おいくつ包みますか?』
「Aさんずるい」
『うるさい、ほら、仕事仕事。』
「では、6つ。お願いします。」
『かしこまりました。ほかに何かご注文は?』
考える素ぶりを見せるイケメン。様になる。
「そういえばここにはポアロと同じ豆があると聞いたのですが…」
『ええ、ありますよ。100グラムからですが、』
ポアロからのお客さんか。毛利さんあたりと何か関係を持っていそうだ。毛利さんは何だかんだ言って有名人と知り合いなのだ。
「では、100gお願いします。ああ、それは包まなくて結構です。」
『かしこまりました。』
後ろではせっせとラッピングしている仁君。イケメンをチラチラ見るからいつもよりラッピングが遅い。
「貴女が店長なのですか?」
『あっ。あっ、はい。そうです。』
「なるほど…」
『…?おまたせ致しました。こちらお品物になります。』
「ああ、ありがとうございます。」
カランッ
店を出て行く眼鏡イケメン。一体何だったんだ。
647人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
京風ラーメン - 武虎さん» コメントありがとうございます。この後の展開もその勘違いが上手く繋がっていくように考えていますので、2人を楽しく見守っていただけると嬉しいです。武虎様も、流行の病のみでなくインフルや花粉、五月病に負けぬようお身体を大切にして下さいね:) (2020年2月29日 1時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
武虎 - 勘違い……なんだけれどもかみ合って進んで行く楽しさ。大好きです。この御時世、お身体ご自愛しつつ更新をお願い致します。 (2020年2月27日 21時) (レス) id: a4e61f3629 (このIDを非表示/違反報告)
京風ラーメン - 桜ひかりさん» コメントありがとうございます。勘違いの部分を楽しく見ていただからとこだわった甲斐があります。更新も出来る限り頑張っていきますのでこれからもよろしくお願いします。 (2020年2月22日 0時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - 勘違いが凄すぎて笑ってしまうwww更新してくださるの楽しみにしてます (2020年2月18日 21時) (レス) id: d6d394990c (このIDを非表示/違反報告)
京風ラーメン - 鴉屋媒鳥さん» :−P (2020年1月31日 0時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:京風ラーメン | 作成日時:2020年1月11日 2時