自覚した愛情 ページ34
憎いほど快晴。
一目連からヒーロー側に動きがあったと知らされ、振袖に着替えてすぐ。若がいるであろう地下の一室に移動した。
「早いな。今ちょうど下の奴から連絡が来たところだ」
「随分と協力的じゃないですか。組の危機に駆けつけるなんて」
「別に…気まぐれ。どうせ貴方たちが勝つから」
なんて、媚びを売ってみる。
すると若は私の髪を一房取って、立ち上がった。
「若、どちらへ?」
「野暮用だ。地獄少女、着いてこい」
足の長い若に着いて歩くと、私の歩みは少し速くなる。記憶が消える前に一緒に歩いた時は普通に歩けていたのに。
「…なるほど、ね」
小さく呟く。
若、私に歩幅合わせてたんだ。身長的に足の長さは違うから、ちょっと考えればわかる当たり前のことだったのに。今更気づいた。
こういう僅かな事象でも、やはりあの時とは違うと思い込まされる。
馬鹿だな、私。
地下を出て、足を進める方向は組長の部屋。静かに襖を開けると、明らかに衰弱した様子のおじ様。
生命維持装置の電子音が響く室内で、若は組長が寝ているベッドに近づく。痩せこけて骨が浮き始めてる。酷いことするよね、若。
「…即身仏にでもなるつもり?」
「親父はそんなことしない」
知ってる。Aちゃんジョークよ。
「すいません、親父。…うるさくなりそうだ」
ボソボソと吐息のようにこぼす低い声。未だに私の髪を掴みながら、組長の顔をじっと見つめる。その横顔に惹かれるのは、私の惚れた欲目なんだろうか。
でも、どうしよう。
なんだか、これ以上の感情が湧かなくなってきている。
確かに若の横顔は綺麗だ。美しいとも思える。けどそれ以上を求められない。本当なら、キスしたい、抱かれたいなんて思っていたはずなのに。私の心はどこか冷たい。この感情、いつの日か味わった気がする。
罪悪感と、興奮。
「行くぞ。モタモタするな」
「……」
…ああ、そうだ。
推し変した時の、前の推しに恋愛感情が湧かなくなったあの罪悪感と、新しく推しになった子へのドキドキ。あれに似てる。
私は若が好きだ。だけど今はそれ以上に好きな人がいる。
気弱でネガティブで、けどとっても頼りになって。強くて、優しくて、いつも笑わせてくれて、かっこよくて可愛くて…
環くん。
私はどうやら、いつの間にか、君を本気で愛してしまったようだ。
閻魔「正常な環くんもヤンデレな環くんも好き」天喰「恥ずかしい…」 天喰side→←何がしたいの?
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雪羅(プロフ) - 神月ティアナさん» コメントありがとうございます！この作品内だけのオリジナルセリフなので忘れちゃいますよね！「危ない男は好きよ」の最初にありますので、また読む時の参考にどうぞ！ (11月2日 9時) (
レス) @page22 id: e292c4e8a5 (このIDを非表示/違反報告)
神月ティアナ(プロフ) - この作品の(名前)ちゃんの地獄通信の仕事での決め台詞いっぺん死んでみる？の前のセリフ好きだけど忘れちゃって毎回どのページにあるのかも忘れちゃうから何回も往復してる (10月16日 5時) (レス) @page9 id: 7ac5013380 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - にいはさん» コメントありがとうございます！ぜひ夢主ちゃんに身体を預けてください。一瞬で夢見心地です。天国です。 (2022年2月23日 23時) (レス) id: 9caae3673b (このIDを非表示/違反報告)
にいは - 夢主にお胸揉まれたい。ちゅーしたい。愛でられたい。雪羅様、神でした。ヤンデレなの最高でした。現場から、語彙力が４んだ変態からお送りしました（？） (2022年2月6日 20時) (レス) @page41 id: 399162e827 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - (´???｀)ぬんさん» なんと!私の夢小説が初!これは嬉しい限りでございます!この作品長かったですよね、お疲れ様です。一応小説としては終わりなんですが、まだ分岐ルートがあるのでそれも見ていただければと…。コメントありがとうございます! (2020年7月15日 22時) (レス) id: 9caae3673b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪羅 | 作成日時：2020年1月22日 13時
