こんなの地獄少女じゃない ページ29
弔くんが帰ったあと、私だけ残された。若達3人は変わらず前と後ろにいる。
「お前は…一体何なんだ」
眉をしかめる若。
何者、とは聞かず、何、と聞いたのは、恐らく私を得体の知れないものと思っているから。
「この間壊理が泣きついたあの女学生…あれはお前じゃないのか?でないと、今感じている俺の胸の痛みの説明がつかない」
「どういうこと?」
「お前の顔を見ると、どういう訳か胸が痛む。というより、胸が高鳴ると言った方がいいのか」
あら…
「クロノに聞けば、それは恋に似たものと言うんだ。俺は恋を知らない。誰かを好きになったことも無い。一目惚れとも違うだろう。なら何故だ。どうしてお前を愛おしいと思えるんだ」
「……そんなこと、聞かれても」
「地獄少女、答えろ。お前は俺に会ったことがあるのか」
どうしよう。地獄の力が弱かったのだろうか。私のことは完璧に忘れるはずなのに、どこで突っかかった。
思い悩む若の表情から、私の胸もじくじくと痛んでくる。言ってしまおうか。私が貴方に愛されていたと。性格が変わってしまうほどに、私を好いてくれていたと。
…もし言ってしまったら、若は記憶にない全く違う自分に苦しむだろう。クロノさんだってそうだ。さっきからずっと黙ってるけど、気配でわかる。この人も今の自分が感じてる気持ちに、頭が追いついてない。理解しているけど記憶に無いからだ。
「知らない方がいい。知ったら、もっと苦しんでしまう」
「知らない事が1番苦しいんだ!」
「知っちゃいけない。言わない」
「ふざけるな!この衝動がお前のせいなら、責任を取るのが道理だろうが!」
「いい加減わかってよ!!」
私に対して怒鳴ることはなかった若が、初めて気持ちをさらけ出した。それに呼応するように、私も感情のままに言葉を吐く。
「いいよ、教えてあげるよ!私は閻魔A!元死穢八斎會医療員!」
「うちに医療員はいないはず…」
「そりゃそうさ!地獄の奴らが私を地獄少女にするために、友人、恋人、親に至るまで、私に関する記憶全てを消したんだから!!」
驚愕の目で見てくる若。同時に、合点がいったように感じる。
…ああ、言ってしまった。これでもう、後戻りは出来ない。
「…わかった。なら最後に一つだけ…聞こう」
少し落ち着いたみたいで言葉にトゲが無くなった。
「俺は…お前の恋人か?」
「…違う、とも言えるし、肯定することも…できる」
「そうか…」
若はこれ以上、聞いてこなかった。
残念ながら、若とは結ばれないのです→←ミミックは可愛い。ミミックは。
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雪羅(プロフ) - 神月ティアナさん» コメントありがとうございます！この作品内だけのオリジナルセリフなので忘れちゃいますよね！「危ない男は好きよ」の最初にありますので、また読む時の参考にどうぞ！ (11月2日 9時) (
レス) @page22 id: e292c4e8a5 (このIDを非表示/違反報告)
神月ティアナ(プロフ) - この作品の(名前)ちゃんの地獄通信の仕事での決め台詞いっぺん死んでみる？の前のセリフ好きだけど忘れちゃって毎回どのページにあるのかも忘れちゃうから何回も往復してる (10月16日 5時) (レス) @page9 id: 7ac5013380 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - にいはさん» コメントありがとうございます！ぜひ夢主ちゃんに身体を預けてください。一瞬で夢見心地です。天国です。 (2022年2月23日 23時) (レス) id: 9caae3673b (このIDを非表示/違反報告)
にいは - 夢主にお胸揉まれたい。ちゅーしたい。愛でられたい。雪羅様、神でした。ヤンデレなの最高でした。現場から、語彙力が４んだ変態からお送りしました（？） (2022年2月6日 20時) (レス) @page41 id: 399162e827 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - (´???｀)ぬんさん» なんと!私の夢小説が初!これは嬉しい限りでございます!この作品長かったですよね、お疲れ様です。一応小説としては終わりなんですが、まだ分岐ルートがあるのでそれも見ていただければと…。コメントありがとうございます! (2020年7月15日 22時) (レス) id: 9caae3673b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪羅 | 作成日時：2020年1月22日 13時
