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「外に出るなよ」
『出ないよ』
外に出た瞬間にGPSで特定されてすぐに捕まえられるんだからしないのに。なんて心配性な冴に眉を下げて雪は笑う。玄関先まで来たというのに中々冴が行こうとしないため、雪は繰り返されたこの会話にもそろそろ飽きてきたのだ。
『時間すぎるよ』そう雪が言えば、渋々といった様子で冴がドアノブに手をかけた。そしてもう一度念を押すように冴が先程と同じ言葉を雪に言う。
『ほら、いってらっしゃい』
「……帰ったら覚えてろ」
「いってきます」と少し苛立った様子で冴は家を出て言った。いってらっしゃいのキスをしただけなのに、雪は冴に恐ろしい言葉を残されてしまった。今度からはキスは辞めようかな、なんて雪は思いながら冴が出て行った扉を見つめた。そうやって雪は冴を見送ったはずだった。
『さぇ……』
煮えたぎったように体が熱い。頭がふわふわして何も考えられない。だけど耐えなければいけない。そう思っても雪の身体は熱を増すばかりだった。お腹、子宮がキュゥっと切なくなる感覚に雪の瞳から思わず涙が零れた。
雪はヒートの真っ只中だった。
『うぅ……』
ベッドの上で丸くなる雪。その息遣いは段々と荒くなってゆく。しかし、アルファを、冴を求める身体の熱は収まることを知らずに雪の本能を犯してゆく。
『さえ』
冴、さえ、サエ。雪は頭の中で番の名前を呼ぶ。
あつい、熱い。冴で満たされたい、冴が欲しい。本能がそう叫ぶ。しかし、雪が伸ばした手は冷たいシーツを掻くだけだった。満たせない欲をどうすればいいかなんて雪には分からない。心にぽっかり穴が空いたような感覚に雪は一つ息を吐いた。
『あいたい』
ストンと心にそれは落ちた。涙が先程よりも溢れ、シーツを濡らす。雪は気がついたのだ、自分が冴に会いたいと、寂しいということに、気づいてしまってはもう知らなかったことにはできない。その欲はどんどんと深くなってゆく。
『さみしいよ、あいたいよぉ……』
ボロボロと溢れる涙は止まることを知らずに、ただただシーツを濡らす。普通のオメガは、抑制剤でヒートを抑えることができるが、雪にはそれが無かった。否、与えられなかった。冴は、雪にヒートになったら言えと言っただけで、それ以上抑制剤の話はしなかったのだ。
そんな中、ふと雪の視界には冴の服が映った。
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うつ(プロフ) - レンヤさん» コメントありがとうございます！レンヤ様のオメガバースを好きになるきっかけになることができてよかったです🫶🏻楽しみにして頂いてありがとうございます🙇🏼♀️💕応援してくださってとても嬉しいです☺️ (2023年4月21日 13時) (
レス) @page8 id: c201149121 (このIDを非表示/違反報告)
レンヤ(プロフ) - 初めましてコメント失礼致します。作者様の前作にオメガバース作品の良さを教えて頂きました✨ 続編を作られていてこれからの続きが凄く楽しみです！かげながら応援しております！！ (2023年4月21日 8時) (レス) id: 315830c04e (このIDを非表示/違反報告)
うつ(プロフ) - 砂時計さん» コメントありがとうございます。続編も読んでくださりありがとうございます、！ドロドロ甘々なお話を目指しているのでそう言って頂けてと手も嬉しいです😿♡これからも二人のドロドロイチャイチャ生活を見守っていただけると幸いです💕 (2023年4月10日 11時) (レス) id: c201149121 (このIDを非表示/違反報告)
うつ(プロフ) - 真昼さん» そう言って頂けてとても嬉しです、！不定期更新ですが、気長にお待ちください🫶 (2023年4月10日 11時) (レス) id: c201149121 (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - コメント失礼します。続編、おめでとうございますっ、また、お二人のお話を読むことが出来てとても幸せです😭♡ 作者様の仄暗さと甘ったるさの詰まった感情描写がとても美しくて好きです。これからも作者様のペースで更新のほど頑張ってください！！ (2023年4月1日 9時) (レス) id: 9f48da2d13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うつ | 作成日時：2023年3月20日 9時
