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『え、世一くんまだ帰って来てないんですか?』

「えぇ、でも世っちゃんなら大丈夫!」


雪が潔に県大会を誘われ、観に行くと潔たちの高校は決勝戦で敗退してしまった。雪は最後に潔が持っていたあのボールをシュートしていればと、本人でもないが後悔をしながら、夜に潔家へお邪魔すればそこには日本フットボール連合からの手紙に盛り上がっている潔がそこにはいた。どうやら強化指定選手に潔が選ばれたと言うのだ。


『世一くん凄いね』

「雪ちゃんはなんで俺が選ばれたと思う……?」


素直な感想を雪が述べれば、返ってきたのはそんな弱気な質問と不安そうな表情だった。そんな潔に雪は瞬きを数回繰り返して、首を傾げながら口を開いた。


『世一くんがストライカーだからだと思うよ』

「え……?」

『だって、わたし世一くんがシュートを決めたいっていうのが伝わってくるし』


『そういうエゴ?ってストライカーっぽいから……って、分からないんだけどね』なんて眉を下げて笑う雪だったが、潔にはその言葉に説得力があるように思えた。思えば雪の言葉にはいつもどこか納得して、そな言葉で前を向けていた気がする。と、潔はこれまでの雪との思い出を振り返りながらそう思う。


『ごめんね、大したこと言えなくて……』

「ううん、雪ちゃんにそう言われたら自信持てた」


「ありがとう!」と先ほどとは打って変わって眩しい笑顔を雪に向ける潔に、雪も安心したように笑った。その記憶は随分と前のものだった。


雪は潔が合宿に行くことはわかっていたし、知っていた。しかし、こんなに長いものだとは思ってもいなかったのだ。雪が潔を見送った日から随分と時は過ぎていた。それなのに潔は未だ帰っていないということを知った雪は驚きの声を上げた。いくら何でも長すぎるのではないだろうか?なんて不安になる雪だが、その反対に潔の母親はにっこりと笑顔でそう言う。まぁ、彼女がそう言うのならば大丈夫なのだろう、なんて思いながら雪は淹れられた紅茶を一口啜った。

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うつ(プロフ) - 砂時計さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます。冴くんの執着心と激重感情を描きたかったので、少しでも楽しんでいた抱けたのなら幸いです♡たくさん褒めてくださりありがとうございます、!わたしも砂時計様に読んでいただけて幸せです😿 (2023年4月10日 11時) (レス) id: c201149121 (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - 初めまして。この度は素敵な作品を書いて下さりありがとうございます。1話目の何がなんでも夢主を手に入れようとする激重冴くんに心臓を撃ち抜かれ、一気読みしてしまいました。ストーリーのテンポも、揺れ動く感情描写も素敵で…っ 作者様の作品と出会えて幸せです😭 (2023年3月27日 12時) (レス) id: 9f48da2d13 (このIDを非表示/違反報告)
うつ(プロフ) - 仙波さん» オメガバースって本当に素晴らしいですよね、!そう言って頂けて嬉しいです、ありがとうございます! (2023年2月13日 11時) (レス) id: 20ff7f32df (このIDを非表示/違反報告)
仙波 - オメガバ!!オメガバ!!!オメガバ作品はなんでも読む人です、めっちゃ面白いです。 (2023年2月12日 18時) (レス) @page1 id: 66b0f4d018 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うつ | 作成日時:2023年2月5日 0時

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