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あれから、雪は冴が練習している道から帰るのをやめた。幸い、違う小学校に通っていた為学校では絶対に会うことがなく帰り道だけ気をつけていればよかったのだ。そして、矢張り医者の言った通りベータはアルファともオメガとも番になれない。雪はインターネットを使って調べたがどの記事もそう書いてあった。


「雪、元気ないけどどうしたの?」

『ううん、なんでもないよ。ちょっと眠たいだけ』


休み時間で騒がしいクラスの中、雪のとても仲のいい友人が雪を心配する声をかけるが、それに雪はそう笑って答えた。正直なところを言えば元気がないのは本当だった。毎日といっても過言ではないほどに冴と雪は会い、言葉を交わしていたのだ。それが今では全くなく、雪は心にぽっかりと穴が空いてしまったような気になった。


「はやく中学生になりたいなぁ」

『わたしはなりたくないかな』

「え〜!なんで!?」

『……ほら、勉強とか大変そうだから!』


そう言うと勉強が苦手な雪の友人は、顔を苦くした。しかし、雪が中学生になりたくないという本当の理由はまた別にあった。それは、中学生になれば冴と会うことになるからだった。冴の通う学校と雪の通う学校が同じ中学校に通うため、冴とは必然的に中学校で会うのだ。


「雪、中学生になっても勉強教えてね!」

『もちろん』


涙目で懇願してくる友人に雪は笑いながらそう言った。そして、午後の授業も終わり下校の時間になった。クラスの男子達はランドセルをすぐに担ぎ、ゲームをしようと騒ぎながら出入口へ駆けてゆく。そして、また雪も同じように友人と共に学校を出ようとランドセルを肩に担いだ。


「雪、また明日!」

『うん、また明日』


校門をくぐり、暫く歩いたところで雪は友人とそう言って別れて、まだ少し慣れない冴がいない道を歩く。やはり、冴がいないのは寂しいな、なんて思いながら雪は帰路を歩いていると


「おい」

『さ、え……?』


聞くはずもない聞きなれた声が雪の鼓膜を揺らした。

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うつ(プロフ) - 砂時計さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます。冴くんの執着心と激重感情を描きたかったので、少しでも楽しんでいた抱けたのなら幸いです♡たくさん褒めてくださりありがとうございます、!わたしも砂時計様に読んでいただけて幸せです😿 (2023年4月10日 11時) (レス) id: c201149121 (このIDを非表示/違反報告)
砂時計(プロフ) - 初めまして。この度は素敵な作品を書いて下さりありがとうございます。1話目の何がなんでも夢主を手に入れようとする激重冴くんに心臓を撃ち抜かれ、一気読みしてしまいました。ストーリーのテンポも、揺れ動く感情描写も素敵で…っ 作者様の作品と出会えて幸せです😭 (2023年3月27日 12時) (レス) id: 9f48da2d13 (このIDを非表示/違反報告)
うつ(プロフ) - 仙波さん» オメガバースって本当に素晴らしいですよね、!そう言って頂けて嬉しいです、ありがとうございます! (2023年2月13日 11時) (レス) id: 20ff7f32df (このIDを非表示/違反報告)
仙波 - オメガバ!!オメガバ!!!オメガバ作品はなんでも読む人です、めっちゃ面白いです。 (2023年2月12日 18時) (レス) @page1 id: 66b0f4d018 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うつ | 作成日時:2023年2月5日 0時

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