三十一幕 ページ32
蘇芳さんがもう一歩審神者さんに近づくと審神者さんも一歩さがる…
いや、これってあれですよね…完全に捕食者と被食者の関係というか…ヘビに睨まれたカエルというか…そういうやつですよね…
というか、いつの間にか私は置いてけぼり…でも…でも、あの二人…主にあの状態の蘇芳さんには近づきたくないし…
うーん。
よし！取り敢えずはこのままでいいか！
あ。審神者さん、とうとう壁際まで追い詰められてる…
絶体絶命？
「た…大将に、手ぇ出すなっ！」
「厚…」
お。
と思ったら、刀剣男士さんが審神者さんを庇った…凄いな。あんなに怯えてたのに…
「別に手を出すつもりはありません。部外者は黙っていなさい。」
わー。蘇芳さん厳しい…あんなに頑張った刀剣男士さんを一言で撃沈させちゃった…
「や…役人風情が、私たち審神者に逆らって良いと思っているの？！刀剣男士まで傷つけて…」
その言い方はどうかと思うけど、蘇芳さん相手に言い返せるのは凄いな。…膝は笑ってるけど
「その『役人風情』の質問にも答えられないような方が審神者ねぇ…」
「っ…じゃあ、何？貴方に審神者ができるって言うの…？」
「それはやってみないとわかりません。」
「そらみなさい！」
審神者さんが勝ち誇ったような顔をするけど…
「ですが、貴女には審神者はまだしも…『役人風情』が務まるとは思いませんけどね。」
「っ…！」
審神者さん…顔を真っ赤にしてる…これは相当キてるな…
いや、それにしても蘇芳さんってば『役人風情』って言われた事相当根に持ってるな…
こっちに飛び火しなきゃいいけど…
「な…なによっ！大体貴方たち役人は大したことなんてやってないじゃない！私たち審神者と違って居なくたって別に…」
「そうだ！役人は引っ込んでろ！」
「大して何もできないくせに！」
「言うことだけは一人前なんだよな！役人は！」
うわぁ、暴動が起きちゃった…
皆さんかなり頭にキてたんだな…
でも、なんでこんな考えの人たちが役人講習会なんかに来てるんだろう？
「大体なによ！役人講習会って！いつもだったら審神者講習会でしょ？！来てみたら役人講習会だったなんて…洒落になんないわよ！」
「では、素直に役人講習会だと言って一体この中の何人が参加してくださったでしょうね？」
なるほど…騙し討ちだったわけですか…
というか、認めるんですね…騙し討ちだって
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作者名：雪園霧花 | 作成日時：2018年10月13日 18時
