二十九幕 ページ30
あー。緊張するよー!
なんか…
えっと…こういうときは人という字を3回書いて…投げるっ!
「A?何…やってんの…?」
「えと…緊張をほぐすおまじない?」
「あのね…投げたら意味ないと思うけど…」
「あ…」
「というかなんでAがそんなに緊張してんの?」
「だって…だってぇ…」
「話すのは
「それはそうなんですけど!でも…その…こういう場って初めてで…何もしないってわかってるんですけど、緊張…しちゃうんです…」
「Aちゃんは可愛いねぇ〜」
「うわっ!!」
「桜さん…驚かさないでくださいよ」
「いやー。知った顔見つけたから声かけてみた。」
「そうですか…」
「でも、Aちゃんってばガチガチだねぇ。初々しいねぇ…スーちゃんもそう思うよね?ね?!」
「お…俺に振らないでくださいよ…」
「あはは〜」
「それで、本当は何の用なんですか?」
「今回はホントに何もないよ?ただ、始まる前に軽〜く会場見とこうかと思っただけ!」
「なら、とっとと見に行ったらどうですか?」
「もー。スーちゃんってば冷たい!今見てきたところですー。」
「それは失礼しました。」
「許す!」
なんか…桜先輩が来たら、一気に緊張が溶けた
「あの…桜先輩…」
「ん?どうしたの?Aちゃん」
「桜先輩は緊張とか…しないんですか?」
「んー。してるよ?緊張。もうバックバク!」
「え…全然見えない…」
「もー。Aちゃんも酷ーい!あ。さてはスーちゃんの毒舌が移ったな?ええい!スーちゃんめ!覚悟っ!」
「ちょ…いっ痛。蹴らないでくださよ!」
「だまれっ!可愛い後輩に何をおしえているのだー」
「別に教えてませんってば。痛…本気で蹴らないで下さい!」
「ふふっ。あははっ!」
「ん?どうしたの?Aちゃん。」
「…俺が蹴られてそんなに楽しいか…?」
「ちっ…違いますよ!ただ、いつも道理だなって思っただけです!なんか、緊張してた自分が馬鹿らしくなったって言うか…」
「やっと…笑ったね。」
「え?」
「いや〜なんか、思いつめたような表情してたからさ」
あ…心配、してくれてたんだ。
だから、あんなこと…
桜先輩ってやり方は滅茶苦茶だけど、場の空気を読んだり、和ませたりするのがやっぱり上手いな。
「で?俺は蹴られ損ですか?」
「あはは〜まぁいいじゃん!Aちゃん、緊張溶けたみたいだし」
「…」
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作者名:雪園霧花 | 作成日時:2018年10月13日 18時