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数ヶ月後、宮城から東京への遠出。地方民には憧れの地、渋谷へやってきた。虎杖くんが本当に転校した時は寂しかったけど、新しい友達も増えて今はそれなりに楽しくやっている。
そんな中、まさか東京で虎杖くんと再会すると思わなかったのだ。あの特徴的な髪色は昔から変わらない。私が見間違うはずないのだ
『虎杖くん久しぶり！元気してた？』
「……！的場、的場…なのか？」
『当たり前じゃん。いきなり転校しちゃってさ！凄く驚いたんだから』
「わ、悪ぃ」
なんとも歯切れの悪そうな顔。そりゃそうか。私にすらなんにも教えずどっかに行っちゃったんだもの。
『その、虎杖くん今フリー？』
「な、なんだよ悪いか！？どーせ俺はモテねぇよ！！」
『そうじゃなくて…！』
あのトーク画面を見せて今度は私から告白を返そうと思った。けれど、不思議なことに虎杖くんの連絡先が出てこない。長い間放置し過ぎて埋もれてしまったのか
『あ、あれ…？』
「？」
せめてスクショ撮っとけば……
いやでも、こうなったら仕切り直し！
スマホをポケットにしまい、ギュッとスカートの裾を握りしめ…初めて、私から彼に告白
『その、虎杖くん。私と付き合って貰えないかな……』
「……え？」
よし言った。よく頑張った私。
後は返事を待つだけ。早くOKって、言ってくれないかな……自然と俯いてた視線を上げ彼を正面から見据えると……
泣いていた。嬉しい方か悲しい方か、この時は分からなかった。滅多に泣く人じゃないから今度は私がビックリする番だった。
「っあ"〜……応えてぇよ。俺だって好きだったって言いてぇよ」
『……？』
「けどさ……ごめんな的場。俺は恋人を作らないって決めたんだ」
『え、……』
断られたショックも相当だが、何よりあの虎杖くんが恋人を作らないと断言した方に驚いた。今日は虎杖くんに驚かされてばかりじゃん。俺は死刑だから、とよく分からないことを口にする彼が益々混乱を招く
ふと、優しく私を抱き留める。その腕は震えてる。暫くの間沈黙が続いたが……徐ろに言葉を紡ぐ
「…俺も好きだったぜA。お前は本当に良い奴だからさ、どうか幸せにな」
『？』
そして名残惜しそうに腕を離し、こちらを振り返ることなくどこかへ消え去った
『……虎杖くん？』
人混みに紛れた彼の姿を、もう一度探し当てることは出来なかった。
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PS .──存在しない記憶
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アホの化身 - 惚れる（尊死） (2020年12月22日 18時) (
レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 面白かったです！なんか、こう、見ていてムズムズする感じ(？)がすごく好きです！最後の補足で分からなかったところが分かってスッキリしました (2020年12月22日 17時) (レス) id: 9f4a8dbb0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チョコ＆ピーナッツ
| 作成日時：2020年12月22日 14時
