6.カムバック原作！ ページ7
頑張るぞ、とそんな風に意気込んだのはもう7、8年くらい前になる。
時間の流れは思ったより速いな、なんて考えているとすぐにテストが始まる。
ヘッドホンをつけて、デジタルの画面と向き合う。
《＿＿Age11、Type1》
《各問10秒以内に答えなさい。それでは始めます》
《第一問、立体Aの展開図として──》
《続けてType2 ──》
「...ふぅ」
ヘッドホンを外し、息を着く。
ペンを持ち続けていた手が痛い。
何時間もぶっ通しのテストはとにかくしんどい。
集中力との戦いだ。
周りの皆も気が抜けたようで、手応えを話し合っている。
勉強はスラスラ解けると楽しいから嫌いではない...好きでもないけど。
まぁ前世から本を読むのは好きだったから知識は結構身に付いていると思う。
テストが終われば後は自由だから学校よりは良いかもな。
「結果を返すわねー
ノーマン、レイ、エマにA。
すごいわ4人とも、また300点！
「やったぁー！！」
明日もフルスコア取れるようにまた勉強しなきゃな。
「A、鬼ごっこしよ〜」
そう言って俺に抱きついてきたのはコニーだ。
「おう！今日はコニーがやりたいこといっぱいしよーな！！」
その笑顔はキラキラであまりにも純粋無垢だったから、キュッと胸が締め付けられた。
ここがただの孤児院で、出てった兄弟たちは
そんな意味の無い妄想も、もう何度目になるだろうか。
こんなことなら何も知らないままの方が幸せなのかな...
「A？どうかした？」
「...なんでもないよ、早くエマたちのとこ行くか！」
「？うん」
窓から見える空はあまりにも綺麗で澄み切っていた。
ぐちゃぐちゃになった思考も体を動かせば少しはまとまるかな。
そう期待してコニーを抱えて庭まで走った。
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作者名：ルノチキ | 作成日時：2021年5月9日 12時
