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47.焦燥 ページ48

「通信手段っつっても、十中八九本部と繋がってるだけだし、出てった兄弟の行き先なんてママは知らない。記録(てがかり)以前の問題だ。

反面、下手したら発信機で俺達の行動がバレる。その部屋のセキュリティだってわからない。
危険すぎるだろ」


「だけど......!!」


「つまりメリットよりリスクの方が明らかにデカいんだよ。
場所がわかったのはよかった。
──でも、今無理して入る場所じゃない」

レイの言葉が正論だからドンは何も言えなくなってしまった。


「......だね」

「そっか」

「行って収穫なし、じゃ無駄足だもんな」


ノーマンとエマが納得したのを見て俺も適当に合わせた。

チラリと見たドンの顔には明らかに余裕がなかった。







「それよか今探るべきは別のことだ」



「今はとにかくシスターに気をつけて、下手な動きで墓穴を掘らぬこと」


「その通り、ママは勿論。シスターにバレた即アウト。そのつもりで動け」



ノーマンとレイに脅しのように忠告され、ゾッとする2人をエマが安心させるように励ます。


「大丈夫、普通にしてれば大丈夫だよ」

「うん...」



「夕飯の準備してくる......」

「あとから行く」


ゲンナリした表情で部屋を出るドンに、ギルダはついて行く。








ただ、ドンとギルダからすれば...


「当然気になっちゃう...よなぁ」

Aは誰に言うでもなく呟いた。



きっとあの2人、特にドンはコニーを助けなきゃという焦燥感と真実を知ったことの恐怖で追い詰められてるんだろう。


コニーのこと大好きだったもんな。

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作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年5月9日 12時

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