検索窓
今日:18 hit、昨日:85 hit、合計:190,795 hit

46.秘密の部屋 ページ47

それから、子供部屋に場所を移して話し合う。


「ハウスに“秘密の部屋”がある?」

「そう。場所はここ」

ノートに書かれたハウスの簡易的な間取りにエマは丸をつけた。


「ママの寝室(へや)の隣──
ママの寝室って、隣にトイレと洗面所。その先に壁を挟んで、ママの書斎って続くんだけど、ここ多分壁じゃない」

エマはトイレと洗面所、書斎の間にある壁に丸をつける。


「気づいたの。姿を消す前にママは決まって書斎か洗面所に入っていく」

エマに続いてギルダが発言する。



「それで、部屋の内側と廊下側(そとがわ)それぞれ距離を測ってみた」

「結果は?」

「合わなかった。私の足で10個分くらいの(スペース)がある。
一方は壁、一方は本棚だけど、どちらにも隠し扉があるんだと思う。その先に秘密の部屋がある」


「けどそれ、何のため?」

「それは多分...」


「定時連絡」

ドンの質問にエマが答えようとした所をレイが割り込んだ。



「ママは本部に毎日定時連絡をしている。そのための部屋だろう」

エマとギルダはやっぱり、と顔を見合わせる。



「“本部”?」

「このハウスに弟妹(あかちゃん)大人(シスター)を供給している“拠点”だよ」

本部や拠点があることを知らなかった...話されていなかったドンは驚く。




「レイは知ってたの?ここに部屋があるって」


「いや、そういう部屋がどっかにあるって存在は疑ってたけど」

「入ってみようぜ!『外』との通信手段...
それにコニー達の行き先も、何か手がかりが掴めるかもしれない!」


「でも鍵は?
ママが秘密にしている部屋なら入るのにきっと...」

切羽詰まったような表情のドンをギルダが冷静に宥める。




「ノーマン開けられない?」

「型によるけど…」


「型は玄関の所と同じだと思うよ。でも...」

てかマスターキーだから全部同じ鍵で開けられるんだったよな、と思い出す。



でもそれは今すべきことじゃない。と続けようとしたら──

「待て待て、そこまでするメリットはない」


話が秘密部屋に侵入することに傾いていたのをレイが慌てて止める。

47.焦燥→←45.報告



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (148 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
307人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年5月9日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。