46.秘密の部屋 ページ47
それから、子供部屋に場所を移して話し合う。
「ハウスに“秘密の部屋”がある?」
「そう。場所はここ」
ノートに書かれたハウスの簡易的な間取りにエマは丸をつけた。
「ママの
ママの寝室って、隣にトイレと洗面所。その先に壁を挟んで、ママの書斎って続くんだけど、ここ多分壁じゃない」
エマはトイレと洗面所、書斎の間にある壁に丸をつける。
「気づいたの。姿を消す前にママは決まって書斎か洗面所に入っていく」
エマに続いてギルダが発言する。
「それで、部屋の内側と
「結果は?」
「合わなかった。私の足で10個分くらいの
一方は壁、一方は本棚だけど、どちらにも隠し扉があるんだと思う。その先に秘密の部屋がある」
「けどそれ、何のため?」
「それは多分...」
「定時連絡」
ドンの質問にエマが答えようとした所をレイが割り込んだ。
「ママは本部に毎日定時連絡をしている。そのための部屋だろう」
エマとギルダはやっぱり、と顔を見合わせる。
「“本部”?」
「このハウスに
本部や拠点があることを知らなかった...話されていなかったドンは驚く。
「レイは知ってたの?ここに部屋があるって」
「いや、そういう部屋がどっかにあるって存在は疑ってたけど」
「入ってみようぜ!『外』との通信手段...
それにコニー達の行き先も、何か手がかりが掴めるかもしれない!」
「でも鍵は?
ママが秘密にしている部屋なら入るのにきっと...」
切羽詰まったような表情のドンをギルダが冷静に宥める。
「ノーマン開けられない?」
「型によるけど…」
「型は玄関の所と同じだと思うよ。でも...」
てかマスターキーだから全部同じ鍵で開けられるんだったよな、と思い出す。
でもそれは今すべきことじゃない。と続けようとしたら──
「待て待て、そこまでするメリットはない」
話が秘密部屋に侵入することに傾いていたのをレイが慌てて止める。
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作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年5月9日 12時