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45.報告 ページ46

「ねぇ...1個いい?発信機の『実験』って、兄弟(だれか)の耳で試したってこと?」

それはエマの純粋な疑問だった。



「その子...いやその子達?どう(・・)なったの?出荷時期早まったりしてないよね?
私達のために誰か“犠牲”にして(・・・・・)ないよね?

いや、いいよ。ありがとう。そのおかげで今、皆で出られる。

......でも、そういう線引き(・・・)もう二度としないで」


エマの声のトーンが低くなり、レイの手を掴んだ。


「もう1人じゃない...1人じゃないから...」

彼女の手には力が入り、震えているのがわかった。



「誓うよ。もう二度としない。
全員で一緒にここから逃げよう」

レイは掴まれてる手と逆の手を上げた。






はしゃいでいる兄弟達に向かって走り、訓練(おにごっこ)しよー!とあっという間にその輪の中に混ざるエマ。


そんなエマに俺は少し遅れてついて行く。






2人の密談の内容なんて気にせずに。


「ひょっとしてレイは......」

「⋯⋯⋯」

「......それより、今日時間ある?」


そして黙りこくるレイに話題を変えようとノーマンがそう聞いたのを風が掻き消した。






「そうだ!ハウスに戻ったら3人に報告があるの!」



「「「?」」」

「その前に今日も訓練(おにごっこ)


疑問を浮かべる3人の手をまとめて掴む笑顔のエマ。









鬼ごっこも終わりハウスに帰る中、エマの報告を聞く。




「__結論から言うと、このハウスには子供達(わたしたち)の知らない“秘密の部屋”がある」







──10月31日、火曜日

脱獄決行まであと8日

46.秘密の部屋→←44.効く



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作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年5月9日 12時

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