44.効く ページ45
「つまり内通者って言っても敵じゃなくて、
私達のためにずっとママの手下をやってたってこと?」
「うん......」
話を整理したエマの言葉に頷いたノーマン。
「本当は門から帰って来たお前らにすぐ打ち明けるつもりだったんだけど。
“リトルバーニー置いて来る”とか“全員で逃げる”とか色々予定外が重なって。」
レイに痛いところを突かれ、複雑そうな表情を浮かべるエマとノーマン。
「ママに気づかれ制御しなくちゃならなくなったし、お前らも無茶して暴走しそうでも
じゃあここは黙ってどっちも制御しとこう──的な?」
「つまり私達のミスをカバーしてくれてたと。
そして“全員”には裏から止めに走るほど反対してたんだね」
「でも安心しろ今は違う。バレちまったし改めて説得もされた。
今度こそ"全員で逃げる"に協力するよ」
「・・・・・・」
「らしくないね。
レイは一度曲げなかったことは、二度目以降も絶対曲げることないのに」
「......嘘だと思うの?」
ノーマンが焦ったように助け舟を出した。
「ううん、嬉しい。
レイが改めて“全員”に力を貸してくれる。しかも今度は内側からママを騙せる情報もある。
最高だよ!」
するとエマの雰囲気がガラリと変わった。
「でもそっか......ずっと知ってたんだね、全部。
辛かったよね......知ってて黙って見送って、何人も何人も...」
レイに向けて言ってるのに、その言葉は俺にも効くんだよな...
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作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年5月9日 12時