43.発覚 ページ44
「...ん」
起きたばかりで霞む目を軽く擦りながら、時計に目をやる。時刻は朝の5時を指している。段々と自分の状況を理解し始め、あのまま寝てしまったのだと悟った。
...通りで身体があちこち痛むわけだ。
取り敢えず本を棚に戻す。
起床時間まであと一時間弱...2度寝できるだろうか。ダルい身体を動かして寝室まで歩いた。
そして、6時になったのかエマの声が頭に響く。
「あれ、A昨日の夜部屋にいたっけ?」
クリスティがまだベッドにいる俺に声をかける。
「昨日は遅くまで図書室で本読んでてさ」
すると、夜更かしはダメだよ!と釘を刺された。
そんな何気ない会話をしつつ、俺は素早く支度をする。
あっという間にテストが返却された。
「すごいわ、4人共!また満点!」
ママがそう言って何故か俺だけ頭を撫でられた...なんで?
撫でられたの久しぶりかもなぁ。
「ギルダとドンも上がったわね!それにフィルも!」
「やったー♡」
2人はどう反応すべきか戸惑っている。
「素晴らしいわ。明日もこの調子♡」
ママの冷徹な視線にドンとギルダの背筋には寒気が走った。そしてママは何事もないかのようにフィルを抱き上げて、フィルもすごい!と褒めていた。
そして自由時間。
「それで?ダミーのロープはどうだったの?
"情報源"は...」
「ああアレな、俺」
ノーマンがどう伝えようかと悩んでいたら、レイが淡々と告げる。
「俺がママの内通者です」
一瞬の静寂が広がり
「「お前かよっ!!」」
エマと俺の声が森に響いた。
「ごめん......思わずツッコんじゃったけどちょっと理解が...」
「はぁ...寧ろレイで良かったかもな......何か理由があるんだろ?」
俺は気が抜けたようにしゃがみこむ。
下手な演技ではあると思うがやらないよりかはマシだ。
混乱しているエマと、ヘロヘロな俺を軽快に笑うレイ。
「はい!説明させて」
ノーマンがシュッと素早く手を挙げて説明を始めた。
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作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年5月9日 12時