この世界で生き残るために【約束のネバーランド】【男主】 (ページ43)

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42.眩しいページ43

読み聞かせ途中にエウゲンが眠ってしまったため、俺も寝ようと思ったがなかなか寝つけずにいた。

はぁ、一旦水でも飲むか。
俺は特に何も考えずに食堂へと歩いた。

そして、ドアノブに手をかけた──
が、中から聞こえる声に俺は音を立てないようにほんの少しだけドアを開ける。

そこにはやっぱり、

「連れてく」

「！...たとえ相手が望まなくても？」

エマとノーマンだった。

「うん！ひっぱってく！
だって私達が逃げたらその子の命が保証されるとは限らないもの」

ここからでも十分エマの表情がわかる。

当然のように言ってのけた彼女の眩しさに“アイツ”のことを思い出した。

『－－！』

笑いながら俺の名前を呼ぶ彼女の姿が──

そこまで考えたところで頭を振った。

今更何でエマと重ねてるんだよ。

この10年思い出したことなんか無かったのに。

なんで、なんで今になって急に...

「＿＿私はその子を信じたい！」

そう考えてる間にもエマ達の会話は続いていて...

俺はこの場所に留まっていたくなくて足早に立ち去った。

これ以上考えたくない。
忘れたいのに、忘れようとすればするほど彼女のことが頭から消えてくれない。

忘れろ、はやく全部忘れろよ。

いやに暗いハウスがまるで俺を責め立てるかのように感じた。

──あぁ、どうやら俺の罪は消えてはくれないらしい

気を紛らわすために俺は図書室に向かった。
この後は内通者が発覚するところだろうし、そこに立ち会う気力も必要もない。

幸いなことに図書室には誰もいないようだ。
棚から適当に医術本を取る。

この時間に部屋の明かりを付けるわけにもいかず、カンテラに火を灯している。

椅子を2つ並べて、その上に寝そべりながら読む。

どんなに本を読み進めても、ちっとも忘れられない。“アイツ”の笑顔が、言葉が、ぐるぐると頭にこびりついて離れずにいる。

3冊目になる本を読みながら眠りに落ちた。