検索窓
今日:10 hit、昨日:58 hit、合計:190,845 hit

41.内通者7 ページ42

思ったよりも喉が渇いていたのか2杯目の水をコップに注ぐと同時にノーマンが来た。



「Aには言いそびれたけれど、ロープの在り処のことで...」


あぁ、そういえば俺はそのとき子供たちの面倒を見ていたんだっけ。
水を飲みながらノーマンの言葉に耳を傾ける。


「ドンには物置部屋、ギルダにはAのベッドがある子供部屋のタンスにあると伝えた。
これでなくなっていた方が──」

「内通者ってわけか」


俺がそう言うとノーマンはゆっくりと頷いた。

俺も疑われてるのか...わかってはいたとは言え誰かに疑われるのって結構くるよな。




「話はそれで終わり?」

「ああ。それとロープの確認は僕とレイでするよ」




そうしてノーマンと別れを告げてベッドに潜る。


それよりノーマンはロープを6か所分も用意したってことか?
大変そうだななんて呑気に考えて眠りについた。








今日は洗濯日和のいい天気。


ノーマンとレイとAで一つの桶で服を洗い、辺りが石鹸の匂い包まれる。



「おい、今朝みたか。シスター物置の床ガン見してたぜ?」

「うん、まさにホラーだった」

あれは今思い出しても鳥肌が立つ。


「あぁ、エマから聞いた。"標的"を探す一連の行動…ママの制御(ねらい)に反している。やっぱりシスターはママとは別に動いている(・・・・・・・・・・・)

さて、ママと一枚岩でないことを喜ぶべきか、鬱陶しいと嘆くべきか。」




そこまで話すとノーマンは思い出したように付け加える。


「あ、ちなみに足跡は何の確証にもならないよ。スリッパのサイズなんて年長者は誰も同じだし、時間がないなりに何を探したかわからない程度には歩き回っておいたもの」



「足跡がダメなら次また別の何かで来るぞ。問題はシスターがなぜ独自に標的を見つけたいのか。
目的如何によっては...」

「“鬱陶しい”では片づかない...」

「...シスターのお目当てのものがハッキリとわからないから余計にうざったいよな」

俺がそう言うとノーマンは呟く。


「......ギルダは潔白(シロ)...」




「ねぇレイ、A...内通者はなぜ内通するんだろう...」

「そりゃそうするメリットがあるからじゃね?
例えば、出荷を逃れて大人になれる──とか...」

「命の保証──か...」

「まぁレイの言う通り、ソイツにとって何らか褒賞があるんだろう。命の保証にしても、何にしても」


「⋯⋯」


ノーマンは何かをまた考え込んでいた。

42.眩しい→←40.内通者6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (148 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
307人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年5月9日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。