37.内通者3 ページ38
「脱獄決行は10日後、11月8日だ」
ノーマンの突飛な言葉に3人で詰め寄る。
「ちょっちょっちょ!
急すぎない!?いやいいんだけど」
「よかねぇよ」
レイがエマにチョップをして突っ込む。
「でもいくら何でも性急なんじゃない?
さすがに無謀なんじゃ...」
俺がそういうとレイが補足をつけた。
「ママの目的は“制御”──
だから標的が動かねぇならママも動かねぇ。ゆえに時間はあるって話じゃねぇのかよ」
「うん、そういう話だからこそだよ」
「どういうこと?」
エマの頭には疑問符が浮かんでいる。
「僕らにそう見えているってことはママにもそう見えている。裏をかきたい。
どの道冬になる前には逃げたいしね。
それにそこまで急な話でもないだろ?
訓練含め諸々ママの策が読めなかった分急ぎで進めてきたわけだし、必要なことは全て残り10日で片付ければいい。
ママは"情報源"の存在を隠すつもりがない色んな打算はあるだろうけど本気で隠したかったらフリでもシスターに僕ら6人をマークさせる」
“シスターの使い方”
そんな情報からここまで考察を広げられるなんて...
「"時間がある"は罠だ。
発信器を壊し次第最速で脱獄を決行しよう」
ノーマンがそこまで話した所で丁度鐘が鳴り、自由時間が終わった。
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作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年5月9日 12時