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36.内通者2 ページ37

「多分子供たちの中に内通者がいる」

それを聞いたエマは震える腕を抑え、驚愕の表情を見せる。


「鬼の手先...裏切り者ってこと...」

「でも“裏切り者”とは限らないだろ?」

「うん。Aの言うように無自覚にママへ情報を流している場合もあるだろうからね...厳密にはママの“情報源”

情報源を利用した標的の掌握と制御。恐らくそれが…ママの策の“実際”──」



「待って!」

するとエマが間髪入れずに声を出した。

「そんな...“情報源”...?」

彼女は信じられないと言いたげな表情を浮かべ戸惑っている。



「けど、じゃこの先どうするよ。“情報源”は見つけ出すとしてドンとギルダを引き入れる話は?
もし2人が内通者だったら...」

「問題ない」

レイの疑問に食い気味で答えたノーマンはそのまま続けた。

「情報源のあぶり出しとドンとギルダを引き入れること、この2つは同時にできる。スパイならこちらの切り札にもなる」

「情報を操作して逆に敵を撹乱したり、こっちの有利な状況を作り出すことも不可能じゃない...か」


「確かに内通者ならそれとなく話を引き出したり、カマをかけたりして情報を得られるかもしれない」

俺は彼らの言葉に頷いてそう答えた。


「そ。既に網も張った」

ノーマンの先を見据えた発言に2人は驚く。





そんな時ドン達から遊びの誘いが来たが、レイが返事をして事なきを得た。



「“コントロールはできている”だから特定済でもママは何も仕掛けて来ない。

俺達が派手に(・・・)動かない限り」


「レイ、あれから発信器を壊す算段は順調?」

レイがそれを肯定するとノーマンは更に質問をした。


「あとどのくらいで整う?」


「え......半月...いや10日あれば」

「じゃあ10日後に決行しよう」

「え」

レイが驚きの声を上げ、エマは目を丸くしている。








「脱獄決行は10日後、11月8日だ」

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作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年5月9日 12時

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