検索窓
今日:25 hit、昨日:85 hit、合計:190,802 hit

32.鬼ごっこ2 ページ33

「さて、敵はどう動く?」

「これだけ多くの子供を集めたけれど20分という時間制限つき。恐らくシスターはまず僕らを探す。
狙いは年長者(僕ら)6人だろうからね。
まずは僕ら。そしてその途中で見つけた弟妹を根こそぎ捕まえていく...」

弟妹たちもただの子供じゃない。





それぞれの思惑を胸に鬼ごっこが始まった。

中盤に差し掛かればエマが追われ、ノーマンとレイがシスターを引き付けてくれる。

鬼ごっこの終盤になれば2人がいる所とは反対方向に逃げればいい。


だから前半さえ乗り切れば後はオールオッケー...のはずなんだけど。


開始10分。
木の上で息を潜めていたAは安心したのか落ちてしまった。

受け身は取ったけれど近くにはシスター。
ニンマリ顔のシスターと目が合い考える暇も無く兎に角足を動かす。

何で落ちるかな俺...後ちょっとで見つからずに終わったはずなのに。


木や段差を利用してシスターから距離を取る。
そんな時、目の前にはエウゲンがいた。

「!」

慌ててエウゲンを抱えて走った。

「エウゲン!舌噛むから口閉じて」



これじゃあエマと同じ展開じゃないか...なんて考えているとそこにはエマがいた。

なにそれデジャブ


エマは既に弟妹の2人と共にいて、シスターはそれを見ると俺からエマへと狙いを定めた。

「すまんエマ!」

「だいじょーぶ!」
エマはすぐさま2人を抱え逃げ始めた。


エウゲンだけ抱えた俺と2人も抱えたエマ。
どちらを狙えば良いかなんて一目瞭然だけどちょっと申し訳ないな。








とりあえずエウゲンを連れて隠れることにした。



「ケガ...」

木の上に登り一段落した所でエウゲンが俺の顔の下あたりを指さして言った。
軽く触れてみると先程の落下でできたの首を擦りむいていた。

「さっきのか...」
触れた手に血は少ししか付いてないし、痛みからして軽傷だろう。

「...A」
心配そうに名前を呼んでくる。

「大丈夫、ちょっと転んだだけだから」

こんな傷すぐ治るよ、と安心させるように笑えばエウゲンも笑い返してくれた。




そして時間まで見つかることなく鬼ごっこが終了した。逃げ切ったのは俺、エウゲン、ノーマン、レイの4人だった。

33.弱点?→←31.鬼ごっこ1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (148 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
307人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ルノチキ | 作成日時:2021年5月9日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。