この世界で生き残るために【約束のネバーランド】【男主】 (ページ32)

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31.鬼ごっこ1 ページ32

昨日の夜、エマから話を聞いた。
鬼ごっこと称した訓練をすると。

「⋯でね、頭の使い方はノーマンとレイが教えることになったんだ。体の使い方は私とAが先生なんだけど、できそう？」

エマが心配そうに尋ねてくる。

「もちろん、俺も微力ながらエマを手伝うよ。」

頭の方が得意だけど、ノーマンとレイがいるなら十分だろう。
エマほど運動神経がいいわけじゃない。

でも隠れることなら教えられる。
昔から他人からの視線には敏感だったから。

教え始めてから数日後。

今日は名場面、シスターとの鬼ごっこの日です！

ぱちぱちぱち〜なんて拍手をしてみるけど、やっぱり気乗りしない。

俺は体を動かすのは苦手ではないけど好きじゃない。簡単に言えばめんどい。

それにシスターに追いかけられるとかSAN値削られそうだし。

Aは木の下で本を読むレイの隣で、寝そべっていた。

「上手く逃げたと思ったのにな〜」
捕まったトーマが悔しそうにボヤいた。

「自分の痕跡を消すだけじゃダメだ。相手の痕跡も見ねぇと。それにノーマンはお前らの癖も読んでる。例えばトーマお前は大抵──」

レイは何かに気づきハッと辺りを見渡す。

「オイ、どこ行った！？」

「？」

「誰が？」

Aはレイの声で上体をゆっくり起こした。
まだ寝ていたそうに目を擦りながら。

「楽しそうね、鬼ごっこ。私も混ぜて♡」
森の中ではシスターのそんな言葉が木霊した。

「は？どういうこと？」
レイが不機嫌そうに聞いた。
まだ状況を飲み込めていないらしい。

「みんなと仲良くなりたいの。鬼ごっこしましょう」

「⋯⋯⋯邪魔しに来たか？もしくは調べに...」

「問題ない、何も出ないよ。
僕らは皆レベルの高い鬼ごっこで遊んでいるだけ。邪魔されることもない」

「“チャンス”だよね！敵を知るチャンス！」

「ああ、そうだな」

「お前らならシスター相手でもへーきへーき」

別にシスターのことを舐めてるわけじゃない。
でも実際原作では逃げきったわけだし。

「勝負の時間は20分。
私が鬼よ、みんな逃げきってね♡」

相変わらずの笑顔をシスターは浮かべていた。

そう、これは“探り合い”。