この世界で生き残るために【約束のネバーランド】【男主】 (ページ29)

今日:14 hit、昨日:85 hit、合計:190,791 hit

28.変ページ29

no side

Aたちが木の下で話しているとき、エマ達3人もまた森の中で話し合っていた。

「まずは2人がどこから来たのか」

「だな」

「キャロルはコニーの代わりだ。つまり、商品の補充...」

「──ああ、“孤児院”でなく“農園”なら補充され続ける一歳児をつくるか攫うかして用意している。『拠点』があるってことだ」

「食用人間の供給拠点...」

「キャロルは...いや私達も皆元はそこから来たってこと？」

「多分な。そしてあのシスター･クローネもだ。」

「ママ以外の飼育者(おとな)がいるって事実も大きいね。
ここと同じ農園が他にもあるのかもしれないし、彼ら鬼に従う大人が『生まれた時から鬼の支配下』なのか『人間社会で生まれたのちに捕獲された』のか。それだけでも出た先の世界は違ってくる......」

レイがノーマンの言葉に頷き、付け足すように続けた。

「今キャロルが来たのもデカイぞ。他のどの子供にも痕跡がなくても、来たばかりのあいつにはあるかもしれない」

そこまで話し終えるとレイは一息ついた。

「目下3つだ。
１,大人が“外”を知る鍵ってこと
２,キャロルが発信器の糸口ってこと
そしてもう一つ...
３,なんかやっぱママのやり口が変ってこと」

「えっ、ちょっ何？ん！？」

レイの突拍子のない言葉にエマは驚いている。
さっきまでの真剣な雰囲気など皆無である。

「だって変だろ。わざと見せる、そんでビビらす。最初の発信器といい、今回といいそんなんばっか。おかしいって明らかに何かある。

“お見通し”ならさっさと見つけて即出荷！それでいいだろ」

「でもママはそれをしない。
それができない理由──あるいはそれをあえてしない狙いが何かママ側にあるってことだ」

「一体どんな...」

「それはわからない」

「でもだから俺達にはママの策が今一つ読めない。敵の出方がわからねぇ以上事は一刻を争う。
わかるな？エマ」

「うん！」

「俺達じゃ近寄れない(･････････)」

「任せて。私がキャロルから発信器のヒントを掴んでくる！」

エマの目は少しの緊張と闘争心で満ちていた。