25.意図 ページ26
シスターがママに促されて挨拶をする。
「今日からここで一緒に暮らします。どうぞよろしく」
ママの圧倒されるような笑顔と違って、シスターの笑顔はとても不気味に思えた。
冷たい手で心臓を掴まれるような恐ろしさ、そんな笑顔だった。
「3歳以下が16人...」
「敵ももはや“ママ一人”じゃない」
──逃げにくくなった。
レイがいつも本読んでいる木の下に集まった。
「くそっ！」
ノーマンは力のままに木を殴った。
うわ、手痛そう。
「まずいな...鬼の配下がもう1人...
しかもまた嫌な場所に住みつきやがった」
お手伝いと称されて片付けた空き部屋...つまり2階子供部屋の中央がシスターの部屋になった。
「うん、あのお手伝いにそんな意図があったとはね...」
レイの言葉に頷く。
彼らが気づかないのは原作通りで、また仕方の無いことだ。
ママにそんなことなんて考えさせないように仕向けられていたのだから。
「食料庫のスペース確保、予備リネンの点検。
僕らは敵を迎え入れる準備をみすみすさせられていたってことだ。
考えればわかったのに...！」
「けど、わかっても防ぎようはなかったろ。何をそんな...」
「防げたとかそういうことじゃない...ママはヒントをぶら下げていた...。
ただ不意打ちを与えるだけならあの3つの仕事はさせていない。
(読めたはずが読めなかった...出し抜かれた。その時点で既に僕はママに負けているんだ！
甘かった...甘く見ていた。僕らは未だに手の上の
あのママを...あの
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作者名：ルノチキ | 作成日時：2021年5月9日 12時
