24.新顔 ページ25
「ねぇママ。エマたちいつまでお手伝いなのー！？ぼくエマと遊びたい！」
「さいきんAとずっと遊べてないよ〜」
「ノーマンとー！」
フィル、ジェミマ、シェリーが口々に言う。
いつも一緒に遊ぶ兄弟たちと3日も遊べていないから、彼らがそう零すのも無理なかった。
「大丈夫、お手伝いは今日までよ」
ママはそんな3人を落ち着かせるために、彼らの頭を撫でた。
翌朝、いつも通り全員6時に起きる。
子供たちが食堂に向かうと、ママの手に抱えられた赤ちゃんと知らない女の人がいた。
「え」
最年長全員が息を呑む。
もちろんAは本当に驚いているわけではない、驚いたふりをしているのだ。
『やられた！！』
3人がそう思った。
「紹介するわ。新しい妹、キャロルよ。
そしてシスター･クローネ。ママのお手伝いに来てもらったの」
「お...大人...？」
「それに新入りがくるのもいつもより早い____」
見せられて発信機に注意した...。
次いで襤褸を出すなと慎重になった...。
その2つにばかり気を取られた。
結果...この中の誰も大人、そして妹が増えるなんて考えもしなかった。
あの仕事、あの監視の真意は...全てこのための準備と時間稼ぎだったということ。
誰も襤褸は出してない。ハッタリも見抜いた。
ノーマンもレイも、エマだってちゃんとママの策を読んでた。
でもママはそれすら読んで、
──そして追い込んできた。
まさにあの時のチェスだってそうだった。
「チェックメイト♡」
「なんでー！？」
「まだ数手しか動かしてないのに」
「僕らの考え全部わかっているみたい...」
「フフッ、わかるわ。
“だってみんなの
その言葉は今でもハッキリと覚えている。
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作者名：ルノチキ | 作成日時：2021年5月9日 12時
