17.そういう脱獄 ページ18
「──で実際逃げるとなると、問題は色々あるが...まずは人数だな。いくら何でも全員は無理だ。
実現可能なメンバーに絞って...」
「待って！全員で逃げたいんだ、力を貸してレイ」
「全員？冗談だろ？
全部で38人、大半が6歳未満だぞ！？
『ママ』『鬼』『発信機』ただでさえ簡単でない脱走の何度がケタ違いにハネ上がる」
「それはわかってる──でも無理だと決まったわけじゃ...」
「いいや無理だ。エマお前気づいてないだろ」
「え？」
「レイ待って」
「成程。だから“僕から話すよ”か。
エマに伏せてた......いや、
どちらにせよ甘えよ、過保護だ。こういうのはハッキリ言った方がいい。
エマ...出るだけじゃダメなんだぞ」
？
レイの言葉をノーマンとAは暗い顔をして聞いていた。
「外がどうなっているかわからないでも──出荷される先がある。
"農園"ってのがあること自体で予想はつくだろ。
外に待つのは"鬼の社会"だ。
人間の生きる場所なんて、最悪どこにもないんだよ。
連れて出りゃ全滅は見えてる。
"置いていく"それが最善だ」
「やだ
無理でも私は全員で逃げたい。何とかしよう！」
「ハァ！？」
「全滅はやだよ、でも置いていくって選択肢はない。コニーで終わりにしたいの、もう誰も
ないならつくろうよ外に人間の生きる場所。
変えようよ世界。
レイのおかげで今わかった。これはそういう脱獄なんだ」
「私は折れない、決めたから。
──だからレイが折れて、ゴチャゴチャ言わずに力貸して！！」
レイの両腕を掴んで離さない。
絶対レイに全員での脱獄を認めさせる！
「オイコラ
Aは自分が呼ばれるのが意外だったのか驚いていた。
─────────────────
初めてのエマsideのはずなのにエマの視点にして書いた意味が作者自身わかっておりません。
やるならもっとしっかり書きたかったです。
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作者名：ルノチキ | 作成日時：2021年5月9日 12時
